(遅くなってすみません)ご報告です。
90名近いみなさまからご支援をいただき
アトリエ インカーブ設立15周年記念シンポジウム
『ATELIER INCURVE in ART FAIRS−障がいのあるひとの創作と市場−』を
開催することができました。
当日は定員オーバーのお客様で会場は満席。
本当にほんとうにありがとうございました。
東京大学の松井彰彦教授をお迎えして「市場と福祉」について議論を交わし、
インカーブが参画するNYと東京のアートフェアの報告をしました。
松井さんとの「45分1本勝負」の対談は、いや〜もう〜楽しかった。
年々、ゾクゾク疼く感覚が少なくなってきた
(年老いたということ?)このごろ。
読み合い、探り合う45分間は至福の時間でした。
インカーブにとって松井さんと組むことは高いハードルでした。
でも「この人は組まないだろう」って人とマッチメイクすることで
インカーブは成長するんだと感じたのも事実。
以下は当日みなさんに配布した資料ではなく、45分間1本勝負を楽しむため、
ゾクゾク疼くために準備したものです。
備忘録のようなもので文章の整理もしていません。
読みにくいかもしてませんが、シンポの余韻を感んじていただければ幸いです。
ご支援いただいたみなさん、当日お越しいただいたみなさん、ありがとうございました。
心から感謝です。



16:10〜16:55 対談「市場×福祉」松井彰彦氏・今中博之氏(トータル45分)
●1枚目のスライド:松井彰彦×今中博之(5分)
*出会い:朝日新聞の松井さんの記事(2013.3.1)
*100万人に1人の障がいのある、2人
→障害観ビフォー/アフター 社会モデル
(機能障害と環境障害<態度や障壁>)
→松井さんは「心サルコイドーシス」中途障がい。
今中は「偽性アコンドロプラージア」先天性障がい。

●2枚目のスライド:市場とは、『自立』を促す優しい場所?(20分)
*市場には多様な評価者がいる
→依存先が増えるほど「自立」は可能
*市場には「匿名性」という性質がある
→匿名性は覆面レスラー。アイデンティティの崩壊をまねかないか?
→「匿名性」について。カミングアウトする選択権はあくまで「わたし」が
持っている。無理をする必要はない。
ただ、カミングアウトすることでスティグマ(烙印)を付与されたり、
トラウマ(精神的外傷)になる可能性もある。カミングアウトする/しない
(結果)が重要なのではなく、「わたし」が意志決定しようとすること、
あるいは周りがそれをサポートするという「方向性」が大事。
*自分で「フラッグ」を立てる
→公民権運動(マルコムX、キング牧師)。IL運動(自立生活運動)
→トークン(象徴/しるし)・マイノリティ(バランスをとるために形式的に
入れるマイノリティ)になる可能性を孕んでいないか?
「フラッグを立てる」には「覚悟」が必要。
しかしスティグマ(烙印)を付与されたり、
トラウマ(精神的外傷)になる
可能性もある。
ゆえに、「タフさとええ加減さ」は必要である。
「トークン・マイノリティ」の授け手と受け手。
授け手の「アビューズabuse(悪用する)」には細心の注意が必要。
スタッフの力量が試される(チャイルドアビューズ 【child abuse】
⇒ 児童虐待)。
*「弱肉強食の血も涙もない場」の「一定のルール」
→『手ぶくろを買いに』の子狐は2枚の白銀貨を帽子屋に主人に渡し、
手ぶくろを買った。子狐であれ、健常者であれ、障がい者であれ、
「お金はお金」だと言う「一定のルール」に基づいて帽子屋の主人は行動した。
しかし、「障害者の作品だとわかったとたんに、購入を取りやめたお客」
「障害者の作品展示にギャラリーを借りたいといった時に、
『たくさんの障害者が集まるのはダメだと言い放った、ビルのオーナー」は
存在する。インカーブの体験。市場は「多様」。分かり合える領域が市場にはある?

●3枚目のスライド:新しい公と私のコラボレーション(10分)
*公の財源を使い、民間の頭脳を活かす
→インカーブは「広義の『公』益法人」という社会福祉法人。
スタッフはアート/デザインに精通する「民」
→福祉の「下支え」
そもそも市場はユートピアではない。抗弁を垂れにくい障がい者が市場で
餌食にならないためにが必要。
→市場以外の「格差是正」のメカニズムが必要。経済学において市場は
「効率性」を確保できるが「公平性」は確保できない。
「2段ロケット方式」:基壇は「公」その上は「民」、
うまくいけばテイクオフできる。

●4枚目のスライド:市場との接続を図るために必要な仕掛けとは?(10分)
*市場の本質は「数を試して」いいものだけが残ること。
*いいものには「コミットメント=信念」がある。
*決断→実行!デカルト:「つねに同じ方向に、できる限りまっすぐに
歩むべき」
そうさせる信念が「市場の力」である。
*「自分の行動を縛る具体的な仕組み」をつくらなければ
コミットメントではない。
→「橋を焼き、逃げ場をつくらない」直訳:約束・公約・義務・責任。
ビジネス用語:何があろうと達成するという意気込。

●その他の論点
*今中が「共感」した、松井さんの経済学:
→「共感=相手のことを考える=相手の立場に立ってものを見る」経済学
→「互いに相手のことを考えた結果、人々がどのような行動を採るかを
分析する」ゲーム理論
→「マイノリティの経済学」

http://incurve.jp/archives/ko_170924sympo.html

10月の『おなじ釜の飯プロジェクト』が始まりました。
インターン生はやまなみ工房の棡葉朋子さん。
やまなみ工房は滋賀にあるアート工房。
インカーブと同じような「アート×福祉」の活動をされています。
出会ったのは(確か)4年ほど前。
棡葉さんを含むやまなみ軍団が、
宮崎で行われた私の講演に駆けつけてくれました。
今年のクリスマスまでインカーブのアーティストと絡み、飯を食い、笑い、
「インカーブの仕事」を批判的に捉えていただこうと企んでいます。
具体的には私の講演会のサポート、作品管理の習得、
輪読会で論文を発表、そして一番大切なアーティストの精神的サポート。
いろいろてんこ盛りです。
棡葉さんの気持ちに、大切な彼女を送り出してくれた施設長の山下君の
心意気に応えられるようにインカーブのぜんぶをお伝えしたいと思います。
よろしくお願いします。


9月の『おなじ釜の飯プロジェクト』が終わりました。
可能な限り彼と話そう、飯を食おう、
と思いながらもそれは適えられただろうか……。
彼の疑問は晴れただろうか……答えは見出されただろうか。
彼は白井君、24歳。
わたしの子どのような年齢です。
若い彼の言葉がインカーブのスタッフの学びなったことは確かです。
こちらの丸儲けなのかな。
他人ではない人がもう一人増えました。
ありがとうね、白井君。
子供食堂にもお邪魔しなきゃね。
http://incurve.jp/kamameshi.html


車座になる環境が必要です

600名強のお客様を集めた9月9日の「障害者芸術支援フォーラム」から約1週間。
ちらかっていた頭が少し整理できました。
当日、わたしが注視したのは
「我が国の障害者芸術支援は偏ってはいないか?」でした。
残念ながら、その解のとば口に立つことはできませんでした。
それは何故か‥反省会で揉む必要がありますね。
ただ2020年までの問題意識を共有するという点では大きな意義もありました。
モヤモヤ感は600名強のお客様に届いたと思います。
一方で、われわれ「障がい者の創作活動に関わっている者」を
いい意味でも/わるい意味でも縛る「障害者芸術支援推進法(案)」を
知っていますか?との問いに600名中数人しか知らなかったことに驚きました。
法律は最大の環境整備です。社会モデルの一翼を担う「環境」整備が
疎かだと機能障がいも悪化します。
舞台裏で法案つくりをされている議員にお目にかかりました。
「障害者芸術支援推進法(案)」について
「特定の団体からの聴取だけではなく、<他団体の意見>も聴いていただきたい。
加えて障がいのある当事者<アーティスト>の声を聴いていただきたい」とお伝えしました。
「障害者芸術支援推進法(案)」は議員立法ゆえに、
議員と一部の関係者しか内容を十分に知らせることはできないといわれます。
とはいえ「障がい者の創作活動に関わっている者」600名は、
法案の骨格さえご存知でなかったのです。
みなさんに、法案の中身を伝える手はないでしょうか?
議員立法ゆえに、それさえも難しいのか‥。
「出来上がった<法>」を修正することが許されても、
「そもそもの<法>」に関わることが許されないのでしょうか?
それは600名強のお客様の疑念だったと思います。
わたしが仰せつかっている2020年東京オリンピック・パラリンピック
文化教育委員会も、そろそろ本格的に起動します。
法案ともどこかで接続するはずです。
バリアをこえて「障がい者の創作活動に関わっている者」が
車座になる環境が必要です。
https://www.facebook.com/99forum/


対談「市場×福祉」 松井彰彦(東大)×今中博之(インカーブ)
NHK・Eテレ「オイコノミア」で解説をつとめる松井教授
(東京大学大学院経済研究科教授)と
9月24日の『ATELIER INCURVE in ART FAIRS-障がいのあるひとの創作と市場-』
で対談をします。
「稀な経済学者」の存在を知ったのは「読み解き経済-伸びる芽に投資する発想を-」
(朝日新聞 2013.03.01)読んだから。
「福祉は弱者を救うためだけに存在しているのではなく、
伸びようとする芽がぶつかる障害を取り除くためにも活用されるべき」
であり、「福祉は最低ラインを保護することに注力する結果、
なかなか優秀な人材を育てようという発想に結びつかない」
「『弱者』のレッテルをはり、福祉の観点からだけ教育を施して
いたのでは伸びる芽も摘むことになってしまう」。
経済効果が少ないと思われがちなマイノリティの経済を語る
松井教授にラブレターを出したのは数日後だったと記憶しています。
その後、「オイコノミア」でご一緒させていただいたり、
新聞で取り上げていただいたり。
いまではインカーブの「市場と福祉」を考え/実践していくうえで
理論的支柱です。はたして「市場は『自立』を促す優しい場所なのか」?
インカーブの組織は「新しい公と私のコラボレーション」として成立しているのか?
聞いてみたいことは山ほどあるのですが、対談時間は45分。
コンパクトにギュッと濃厚にキャッチボールしたいと思います。

ところで、『ATELIER INCURVE in ART FAIRS-障がいのあるひとの
創作と市場-』は募集を開始ししてから2週間ほどで定員オーバー。
現在は「キャンセル待ち」をお願いしています。
ただ、ありがたいことに「お申し込み済み」のお客様から
「当日、どうしても行くことができなくなったので、
キャンセル待ちの方にお譲りします」とご一報をいただくことも。
ですので、(確約はできないのですが/もしかすると)
お席をご案内できるかもしれません。
ご縁があれば、ぜひお越しくださいませ。
http://incurve.jp/sympo.html
https://www.facebook.com/incurve.AIinARTFAIRS



前のページ 次のページページのトップ