今週頭、東京から教育庁の方がインカーブにきはりました。
「東京芸大&東京都教育庁&都立特別支援学校」による
過去3年間の「芸術活動による自立と社会参加」の研究事業報告をお伺いしながら、
今後の方向性についてブレストをしました。
「教育庁は東京芸大のサポートをいただきながら、
支援学校でつくられている作品を障がい者アートではなく、いたって当たり前のアートとして、
1.裾野の拡大 2.発表と可能性の伸張 3.プロデュース 4.新たな職域の開拓していきたい」とのことでした。
特に「3.プロデュース」と「4.新たな職域の開拓」にチカラを注ぎ、商品化も図っていきたい、と。
ただ、僕の経験上、教育庁だけで進めるにはあまりにも守備範囲が広すぎるように感じました。
まずは厚労省や文化庁との連携を探ること、次に舵取りを行うキーマンをしっかり据えること、
そして早い段階から芸術関係者だけではなく、デザイン関係者もブレーンに採用することが大切だとお話しました。
また商品化はあくまで作品の副産物。
急いでチープな商品を世に出したら本末転倒になります、とも。
まずは東京芸大と都立特別支援学校で「裾野を広げながら、光る素材を発見する」ことが第一義。
急がば回れです。
特に知的に障がいのあるアーティストたちと絡む場合は「急がばとことん回れ」を実践することが重要です。
個人的には支援学校へのアート支援は表テーマ。
裏テーマは東京芸大の学生君たちの視野を広げることにあると思っています。
大阪には存在しない「東京モデル」。ぜひ注目してあげてください。

5年ほど前、厚労省と文科省の委員会で、こんなことを話しました。
「アート×福祉の現場で必要なのはスキルとココロザシのあるスタッフです」
(なんてことは、どんな現場でも共通してると思いますが)
そして、本年度、東京芸大と金沢美大がタッグを組み
「障害者の芸術活動を支援する新進芸術家育成事業と
その育成を芸術系大学において行う基盤構築のための調査事業」をスタートさせます。
まずはスキルとココロザシのあるスタッフ候補生の発掘です。
1年で結果が出る研究ではありません。
5年かかかるか……10年かかるかわかりませんが、僕はとても関心と夢をもっています。
そして両校が動いてくれたことに感謝しています。
僕のお役目はインカーブで実行してきた「善と悪」を正直に
お話しすることだと思っています。
アーティストたちの生活を守るのは綺麗事ばかりではありません。
葛藤だらけの日々の中に、彼らの「アート」や「生活」があります。
また、その葛藤を、時には作為的なプロデュースで乗り切ってきたことを
知ってほしいと思っています(褒められたことではありませんが)。
http://www.bunka.go.jp/geijutsu_bunka/05ikusei/
平成26年度時代の文化を創造する新進芸術家育成事業採択一覧のPDF
を押すと、下記のPDFにとびます。
http://www.bunka.go.jp/geijutsu_bunka/05ikusei/pdf/h26_saitaku_ichiran.pdf


先日、電通クリエーティブ・ディレクター兼コピーライターの
磯島さんから、ご著書『言葉の技術』(朝日新聞出版)が贈られてきました。
この著書で磯島さんが言いたいのは
「人に届く言葉を生み出す為には『人よりたくさん考えること』が必要なんです」
ということです。いたって平凡、凡庸、ゆえに響きました。
彼は電通のトップクリエーターです。
きっと一度は新聞や街角で彼のコピーを目にされたことがあるはず。
初めてお会いしたのは、かれこれ6年ほど前です。
言葉(コピー)を作ることも、空間を作ることも、福祉を考えていくことも、
宗教を考えていくことも、政治を考えていくことも、経済を考えていくことも、
考えるお作法は同じ。そんなことを強く感じたことを覚えています。
磯島さんは第一章(p16)でこんなことを書いています。
「『伝わらない言葉』の原因は(中略)考えていないからだと思うのです。
考えていないから、伝えるべき言葉が見つかっていないのです。
もしくは『人に伝える』という本来の目的とは別のことを考えているからだと思います」
カチカチの行政人や研究者、教育者と話しをすると、
何が言いたいのかよくわからないことってありませんか?
マニアックな仕事や研究をされている方に限ってあるんです(笑)不思議と。
きっと相手のことを「考えてない」もしくは「考える余裕がない」
もしくは「言いたいことが一杯ありすぎる」からでしょうか。
『言葉の技術』は電通の若手コピーライター君たちの入門編として書かれたようです。
でも、いまの僕でも学ぶべきことがぎっしり詰まっています。
「人よりたくさん考えること」でしか
平凡で凡庸な言葉を使いこなすことは出来ない……改めて感じとることができました。
ps第五章の「4つの扉から生まれる言葉たち」では自分の言葉をみつける具体的な方法が説かれています。
コピーライターやデザイナーに限らず、
自ら仕事を創りだす福祉のリーダーやスタッフにもぜひぜひ読んでいただきたいと思います。
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=15847
