過去の記事 → 2017年09月

車座になる環境が必要です

600名強のお客様を集めた9月9日の「障害者芸術支援フォーラム」から約1週間。
ちらかっていた頭が少し整理できました。
当日、わたしが注視したのは
「我が国の障害者芸術支援は偏ってはいないか?」でした。
残念ながら、その解のとば口に立つことはできませんでした。
それは何故か‥反省会で揉む必要がありますね。
ただ2020年までの問題意識を共有するという点では大きな意義もありました。
モヤモヤ感は600名強のお客様に届いたと思います。
一方で、われわれ「障がい者の創作活動に関わっている者」を
いい意味でも/わるい意味でも縛る「障害者芸術支援推進法(案)」を
知っていますか?との問いに600名中数人しか知らなかったことに驚きました。
法律は最大の環境整備です。社会モデルの一翼を担う「環境」整備が
疎かだと機能障がいも悪化します。
舞台裏で法案つくりをされている議員にお目にかかりました。
「障害者芸術支援推進法(案)」について
「特定の団体からの聴取だけではなく、<他団体の意見>も聴いていただきたい。
加えて障がいのある当事者<アーティスト>の声を聴いていただきたい」とお伝えしました。
「障害者芸術支援推進法(案)」は議員立法ゆえに、
議員と一部の関係者しか内容を十分に知らせることはできないといわれます。
とはいえ「障がい者の創作活動に関わっている者」600名は、
法案の骨格さえご存知でなかったのです。
みなさんに、法案の中身を伝える手はないでしょうか?
議員立法ゆえに、それさえも難しいのか‥。
「出来上がった<法>」を修正することが許されても、
「そもそもの<法>」に関わることが許されないのでしょうか?
それは600名強のお客様の疑念だったと思います。
わたしが仰せつかっている2020年東京オリンピック・パラリンピック
文化教育委員会も、そろそろ本格的に起動します。
法案ともどこかで接続するはずです。
バリアをこえて「障がい者の創作活動に関わっている者」が
車座になる環境が必要です。
https://www.facebook.com/99forum/


対談「市場×福祉」 松井彰彦(東大)×今中博之(インカーブ)
NHK・Eテレ「オイコノミア」で解説をつとめる松井教授
(東京大学大学院経済研究科教授)と
9月24日の『ATELIER INCURVE in ART FAIRS-障がいのあるひとの創作と市場-』
で対談をします。
「稀な経済学者」の存在を知ったのは「読み解き経済-伸びる芽に投資する発想を-」
(朝日新聞 2013.03.01)読んだから。
「福祉は弱者を救うためだけに存在しているのではなく、
伸びようとする芽がぶつかる障害を取り除くためにも活用されるべき」
であり、「福祉は最低ラインを保護することに注力する結果、
なかなか優秀な人材を育てようという発想に結びつかない」
「『弱者』のレッテルをはり、福祉の観点からだけ教育を施して
いたのでは伸びる芽も摘むことになってしまう」。
経済効果が少ないと思われがちなマイノリティの経済を語る
松井教授にラブレターを出したのは数日後だったと記憶しています。
その後、「オイコノミア」でご一緒させていただいたり、
新聞で取り上げていただいたり。
いまではインカーブの「市場と福祉」を考え/実践していくうえで
理論的支柱です。はたして「市場は『自立』を促す優しい場所なのか」?
インカーブの組織は「新しい公と私のコラボレーション」として成立しているのか?
聞いてみたいことは山ほどあるのですが、対談時間は45分。
コンパクトにギュッと濃厚にキャッチボールしたいと思います。

ところで、『ATELIER INCURVE in ART FAIRS-障がいのあるひとの
創作と市場-』は募集を開始ししてから2週間ほどで定員オーバー。
現在は「キャンセル待ち」をお願いしています。
ただ、ありがたいことに「お申し込み済み」のお客様から
「当日、どうしても行くことができなくなったので、
キャンセル待ちの方にお譲りします」とご一報をいただくことも。
ですので、(確約はできないのですが/もしかすると)
お席をご案内できるかもしれません。
ご縁があれば、ぜひお越しくださいませ。
http://incurve.jp/sympo.html
https://www.facebook.com/incurve.AIinARTFAIRS



「忘れまい」

国や地方自治体の会議や懇談会の委員を仰せつかるようになって何年になるのだろう。
10年ぐらいかな……昨日のこともフゥ〜って靄がかかり、忘れがち。
なので、覚えていません(きちんと行政資料を見れば、わかるのですが)。
でも、「忘れまい」と心の真ん中に焼き付けているやり取りがあります。

今週の9月9日(土)に開催される「障害者芸術支援フォーラム」でほんの少し登壇させていただくので、
過去の資料を整理していたら、出てきました!「忘れまい」としたやりとり。
それは「2013年7月2日 障害者の芸術活動を支援するための懇談会(第2回)議事録」にあります。
ある美術研究者から「アール・ブリュット」という「形容詞」を採用することで
「喜んでくれる人もいるわけですね、きっと。泣く人もいるけども、多分、喜んでくれる人もいる。どうなんでしょう」。
彼が放った「泣く人もいるけども」はグサリと心を抉られました。泣く人が出現するなら、それは採用すべきではない。
少なくとも「福祉」に関わる者はそうあってほしい願います。
ただ、「美術」という狩猟系(そもそもアートは搾取。たくさんの作品から取捨選択を行なって美術展を行なっている
のですから)からすると「泣く人もいるけども」は容認されます。
そこをどのように折り合いをつければいいのか?
こちらにもジレンマがあり、あちらにもジレンマがある。きっとそうなんだと思います。
今週末「障害者芸術支援フォーラム」でそんな話もできたらなと思います。
https://www.facebook.com/99forum/

参考までに「2013年7月2日 障害者の芸術活動を支援するための懇談会(第2回)議事録」をご紹介します。
なぜ今週末「障害者芸術支援フォーラム」を開催しなければならないのか?
その「そもそもの議論」を深堀したい方は、ご照覧ください。
(グタグタの大阪弁なので読みづらいと思います、すみません)
今中↓
「でも、よう考えてほしいんやけど、画用紙の上で障害も、女性も、男性も唯一ない世界なんですわ。
だから、そこに僕はいろいろな名前を付けて、垣根を造って、今でも垣根ありますやん。
いろんな名前出してきて、私、こちらだし。そんなことやめて、もう普通のアートでええんちゃうかいな。
(中略)一般にそういうカテゴライズするような名称を付けたときに、泣いてはる方がいはるでというのも、
もしこれでアール・ブリュット行かれるのは結構なんです。我々は参加しませんけども、
もしそういう言い方で行かれるんやったらば、そういう人らもきっといはるでということも、
ちょっと頭の隅に置いておいてもらえたらなと思います。
ある美術研究者から↓
「でも、喜んでくれる人もいるわけですね、きっと。泣く人もいるけども、
多分、喜んでくれる人もいる。どうなんでしょう。」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000036020.html

もっともっと深堀をしたい方は↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syougai.html?tid=141324
で、「2013年の障害者の芸術活動を支援するための懇談会」の全体をご照覧ください。
障がい者の創作活動に対するモヤモヤ感は、この年の前後からあったように記憶しています。
昨日のこともフゥ〜って靄がかかり、忘れがち。
なので、行政資料を確かめないとわかりませんが。
時間のあるときに、回顧してみます。

片岡の30歳の誕生日会

昨日に引き続き、今日もたんまりのケーキ。
片岡の30歳の誕生日会でした。
出会ったのは彼が18歳のころだから、えーと、そろそろ12年。
体重も増えたけど、余裕も増えたね。えーと、家族も増えた。
幸せだね〜おめでと。


第二期生・白井くん、スタート

今日から「おなじ釜の飯プロジェクト」第二期生・白井くんの参加です。
なんと、24歳!!わたしとの年齢差は30歳!!
はるか向こう側からやってきた彼と時間を共にするのも不思議なご縁ですね。
インカーブの活動は彼のどの部分に響くのか、揺らすのか……まったく未知。
だから、オモロい。
http://incurve.jp/kamameshi.html

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