過去の記事 → 2014年06月

質問、デザインについて

質問れることで、学び直したり、勘違いしている自分を戒めたりできるものです。
最近、こんな質問を受けました「ソーシャルデザインってなんか変な言葉やと思いますねん…
わざわざソーシャルなんてつける必要があるんですか……社会性のないデザインってあるんすか?」
なるほど。そこに疑問を呈する関西弁丸出しの、この子(彼・高校生)はエラすぎる!!

そこで僕は「ソーシャルデザイン」なんてややこしい話しより、
僕が理解している「デザイン」についてお話しました。
「デザインっていうのは、社会的に困ったな〜とか、苦しいな〜とか、
いろんなシンドイことや気持ち悪いことに対して、その問題のキモを見つけて、
世に投げかけ、その解決策を実行することと違うかな」
つまり「デザインって社会で生きる人も動物も植物も含めて幸せになるための企て。
金持ちの会社や個人を太らせるだけがデザイナーのお役目と違うと思うで」
なんてエラそうなことを言ってると、
エラすぎる彼は「ほなら、ソーシャルデザインなんて何んで言うの?デザインでいいのと違うん?」
はい、その通り、あんたはやっぱりエラすする!!!

僕から彼に「僕がやってる福祉っていうのもデザインやと思うねん、君はどう思う?」

彼曰く。
「社会的に困ったな〜とか、苦しいな〜とか、いろんなシンドイことや気持ち悪いことに対して、
その問題のキモを見つけて、世に投げかけ、その解決策を実行することも福祉やと思うし、
そういう意味ではデザインやろな」
はい、ありがとう。福祉とはデザインなのです。ここまで書いて、ある質問を思い出しました。

「アートとデザインはどう違うんですか?」
発信元はデザイナーやアーティスト、
福祉のアート制作の現場にいる黒子スタッフなどなど。
みなさん、アートとデザインの線引きに真面目に悩んでいる方々です。

近年、デザインのように気配りしすぎるアートが多いと思いませんか?
アートのように独りよがりのデザインが多いと思いませんか?
僕はデザインとアートの境界を曖昧にすることは
お互いの首を絞めることだと思っています。
(融合してこそ未来は開ける!と説かれる方々も多いのですが)

ブルーノ・ムナーリ著『芸術家とデザイナー』は「アートとデザインの違い」について答えてくれます。

僕にとっては名著です。

m

お母ちゃん、喜んでいます

お母ちゃんの一回忌を終えて、そろそろ一ヶ月。
いまだに命日を覚えてくださってる方がいはります。

人様から気にかけてもらってることは、なによりも幸せです。
ただ愛想だけで群がる百人より、親身になってくれはる一人。
歳を重ねると、その一人が二人にならへんかなとか、
片手ぐらいにならへんかなって、欲の深い自分がいます。
でも、一人でもいてくれはったら、前をむいて生きていけるんでしょうね。
半世紀生きてきて、そう思うようになりました。

お浄土にいっても人様から気にかけてもらって、ほんま幸せなお母ちゃん。
小野さん、あやみさん、ありがとうさんです。
お母ちゃん、喜んでます。
IMG_1164

こんなウワサを聞きました。
「インカーブに入るための障がい者むけ画塾がある」らしい。
「インカーブに入るには試験があってかなり難しい」らしい。

僕もインカーブのスタッフもウワサの画塾を知りません。
インカーブに入る為に絵の試験をするなんてありえません。
なので、「かなり難しい」はずがありません。
いまインカーブに在籍する26名のアーティストたちは制作が大好きで、
バスや自転車で通ってこられる地域の方々です。

もし、ウワサの画塾に通われているアーティストをご存知なら、
話してあげてくださいませんか。
「インカーブに入るための試験なんてない」よって。
「制作することが好きなら入れる」よって。
「ただ、定員が一杯らしい」よって。

もし、画塾を運営されている方をご存知なら、
話してあげてくださいませんか。
「嘘、言うたら、あかん」よって。

ただ、このようなウワサが流れるのも
「インカーブに入りにくい」からだと思います。
定員が一杯なんです。
時々、引っ越しされたり、入院されたりで退所されますが、
3年に1人いるか・いないかです。

「アーティストとして軌道にのった方から
個人のアトリエを作って独立していく」ことがインカーブの目標の一つです。
しかし、軌道にのったアーティストたちに「独立」話しをしても、
「絶対、インカーブを離れるのはイヤヤ」→「毎日、スタッフは通いで○○さんのアトリエに行くし、
お昼ご飯もインカーブに食べにきてもええねんで」→「でも、なにがなんでもイヤヤ」。
僕もスタッフも「インカーブを好いてくれはる」ことは嬉しいことなのです。
ただ、これでは新しいアーティストを迎えることはできません。

たくさんの方々から「アトリエインカーブ2をつくってくださいな」ってお話をいただきます。
最大の難問はココロザシとスキルをもつスタッフを育て、配置できるか否か、です。
今週のミィーティングでは「10年後、20年後のインカーブのお役目をイメージしてほしい。
そして、個人としてどのように生きていきたいのかも考えてほしい」とスタッフにお伝えしました。
いつか「暖簾わけ」をして「アトリエインカーブ2をつくってくださいな」って
バトンを渡すことになるかもしれませんね。

IMG_0700IMG_0696 2

インカーブの玄関にそっと置かれた紙袋にに
ウルトラマンと仮面ライダーとアトム君が入っていました。
51歳の僕にとっては永遠のヒーローたちです。

3人とも完璧に強いヒーローではありません。
時には弱くて、どことなく悲しくて、涙もろくて、悩みをいっぱい抱えて。
それでも精一杯、頑張って。
昭和のヒーローっていいですね。
彼らと一緒に51歳のスタートがきれるなんて嬉しいです。

送り主はやまなみ工房の山下さんさんとRISSI INC.の笠谷さん。
僕は何もにもさせてもらってないのに……気を使わせてごめんね。
また彼らに会いに来てください。
ありがとう。
URUTORARAIDA

ページのトップ