私が社会人1年目に生まれた石川が34歳になりました。
ということは、私と約二回りも違うのだ
(そんな彼らはインカーブにもう1人いるのです)と深くうなずくのであります。
くわえて少し早いですが、完全に二回り以上違う東のお誕生日会もご一緒に。
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ご報告です。
先日の文庫本(『アトリエ インカーブ物語』)に続いて、
河出書房新社から、自身初めてのエッセイ『壁はいらない(心のバリアフリー)、って言われても。』
が全国書店にて順次発売されます。
「壁」について毒々しいテーマから、違和感をもたれそうな思いまで、素直に書いたつもりです。
私は日頃から、壁を取っ払って一緒になろうよとか、
みんな分かり合える仲間だとか、どこかウソっぽく感じています。
壁を立てて籠もってもいいし、壁から顔を少しだけ出していてもいい。
無理やり引っ張り出す必要なんてないと思うのです。
第一章 では、
「あなたは、壁をゼロにすることを本当に願っていますか?
他者の喜びを自分の喜びとしたいなら、
他者の苦しみも自分の苦しみとしなければ道理が合いません。
共に生きることは、生半可なことではないのです」
と、書きました。
第二章 では、
「私たちは、他者から何かを伝えられ、
それに呼応する言葉がなくてもいいし、
自分だけの言葉を他者に語る必要もありません。
大きな壁の中では、私たちは、秘密をたくさん持っていて
構わないのです 」
と、考えました。
そして第五章では、
そもそもの壁の存在を俯瞰するために熊谷晋一郎さん
(東京大学先端科学技術研究センター准教授/医師/当事者研究)と対談しました。
キーワードは「一人ひとりで、共に」です。
共に寄り添いあう前に、一人でいることを肯定したい、そう思います。
『壁はいらない(心のバリアフリー)、って言われても。』は、私の名刺代わりに渡したくなる本です。
よろしければご笑覧くださいませ。
特設Webサイト:http://incurve.jp/kabe.html
ビブリオ インカーブ: http://b-incurve.jp/online/online_kabe.html
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4309029000/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_h-ofFbKA4MCD1
ps本書の企画が始まったのは1年半ほど前でした。
ちょうど村木厚子さんとの共著『かっこいい福祉』(左右社)の対談に入ったころです。
当時は一緒に二本のレールを走らせていたことになります。
でも、多忙だったかというとそうでもなく、単線より複線のほうが
逃げ場所があってスムーズに運んだように思います。
そのスムーズ感を一層高めてくださったのは河出書房新社の担当編集者さんでした。
彼とのメールラリーは激しく、深く、いつのまにかプライベートの話をするほどに。
くわえて、校正者さんのレベルが高い。
拙い私の言葉の裏のウラをよみ、新たな「漢字」や「ひらがな」のご提案をいただきました。
さすが文芸の王道・河出書房新社です。
またいつか一緒に仕事をしてみたいと思えるチームでした。
心から感謝です。
16日は脇阪の誕生日でした。
私が乃村工藝社に入社した一年目に彼女は生まれました。
10年ほど前、ある図書館で拙著『観点変更』を手にとり、
紆余曲折あって、インカーブのスタッフになりました。
「できるだけ力まずに、インカーブの日常に身を
ゆだねていけたらと思います」が彼女のホウフです。
今朝、村木厚子さんから『公務員という仕事』(ちくまプリマー新書)が届きました。
「公務員はやりがいのあるいい仕事だ。一見地味ではあるが、
長い目で見れば、人の意識を変え、社会全体を変革する」と、カバーにあります。
オリパラ開催の中止を望む人は7割以上だと聞きました。
どちらでもいい、という人もちらほらいます。
これ以上、都の税金を使うな、コロナ対策に回せ!
おっしゃることはごもっともです。
でもご存知ですか?
オリパラの屋台骨を支えてくれたのは派手な広告会社のスタッフではありません。
都や地方から派遣された「公務員」だったのです。
数年に及ぶ激務をこなし、志半ばでオリパラを離れコロナ対策業務に移動になった方もいます。
身体を壊された方もいます。
きっと彼らはアスリートと同じように、
「人の意識を変え、社会全体を変革する」と願い精一杯働いたのです。
そんな「公務員」という裏方がオリパラ開催を夢見ていたということを
忘れないで欲しいと思います。
そしてまた、私はオリパラ組織委員会から「朝、早いですけど、東京までお願いします」っていう
お電話を首をながくして待っているのです。
がんばれ「公務員」!!
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480683762/
ご報告です。
今日『アトリエインカーブ物語 アートと福祉で社会を動かす』が
河出書房新社から全国発売されました!!
11年前に書いた拙著『観点変更』の力みすぎていた言葉を刈り込み、
新たに「はじめに」と「あとがき」、「補論」を追加して文庫本になりました。
お時間がゆっくり流れているときにご笑覧いただければ嬉しいです。
カバーは東京2020オリンピック・パラリンピックの公式アートポスター制作の
アーティストの1人である新木友行さんの作品です。
オリとパラの選手が同時に走り高跳びをクリア。
インカーブが目指してきた社会のありようです。
また、カラー口絵には新木さんを含む4人のアーティストの作品を収録しています。
ご購入はこちらから。
特設Webサイト:http://incurve.jp/monogatari.html
ビブリオ インカーブ: http://b-incurve.jp/online/online_monogatari.html
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4309417582
◯日比野克彦(現代美術家/東京芸術大学美術学部長)推薦!
「先入観があるという先入観を捨てる」
「たくさんの人に出会い、学びの機会をえた。そして、捨てられ、捨ててきた。
残ったのは、デザインと社会福祉と仏教だった」。
知的に障がいのあるアーティストが集う場所「アトリエインカーブ」。
世界的評価の高いアーティストを輩出した工房は何のために、いかにして誕生したのか?
奇跡の出会と運命、必然が交錯した二十年の物語が幕をあける。
【目次】
文庫本のための「はじめに」
単行本版「はじめに」
第一章「一〇〇万人に一人」の、私は何者か
第二章「デザイン」とは何か
第三章「アカデミズム」の呪縛が解ける
第四章 なぜ、アトリエ インカーブは生まれたか
第五章 バイアスを解く
第六章 現代美術の超新星たち
第七章 アトリエ インカーブの展開
第八章「インカーブのようなところ」をつくる
第九章 社会性のある企て
単行本版「あとがき」
文庫本のための「補論」
文庫本のための「あとがき」
文庫本版 解説「静かで穏やかなこの物語を紡いでゆく」神谷梢
【著者】
今中博之(いまなか・ひろし)
1963年京都市生まれ。ソーシャルデザイナー。
社会福祉法人 素王会 理事長。
アトリエ インカーブ クリエイティブディレクター。
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
:文化・教育委員会委員、エンブレム委員会委員等。
厚生労働省・文化庁:障害者の芸術文化振興に関する懇談会構成員、
障害者文化芸術活動推進有識者会議構員等。
イマナカデザイン一級建築士事務所代表。
金沢美術工芸大学非常勤講師。
偽性アコンドロプラージア(先天性両下肢障がい)。
1986年~2003年、(株)乃村工藝社デザイン部在籍。
2002年に社会福祉法人 素王会 アトリエ インカーブを設立。
知的に障がいのあるアーティストの作品を国内外に発信する。
ソーシャルデザインにかかわる講演多数。
グッドデザイン賞(Gマーク・ユニバーサルデザイン部門)、
ディスプレイデザインアソシエイション(DDA)奨励賞、
ウィンドーデザイン通産大臣賞など受賞多数。
著書に
『かっこいい福祉』(村木厚子さんとの共著/左右社)
『社会を希望で満たす働きかた─ソーシャルデザインという仕事』(朝日新聞出版)
『観点変更─なぜ、アトリエ インカーブは生まれたか』(創元社)など。
アトリエ インカーブ http://incurve.jp
【書誌情報】
著者:今中博之
装幀:坂野公一+吉田友美(welle desing)
装画:新木友行「走り高跳び」
発行:河出書房新社
定価:本体900円+税
河出文庫 文庫/304ページ
2020年7月7日 第一刷発行
978-4-309-41758-5 C0195