過去の記事 → 2017年11月

「この分野」での「人つくり」

今年、締めの講演会が終わりました。
10月以降、韓国に始まり大阪・金沢・愛知。
小学校から大学など5ヶ所で「インカーブができること」のお話をしました。
締めは愛知県立芸術大学でした。
先日開催された金沢美大に引き続き、
文化庁委託事業「 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」の一環です。
平たくいうと「この分野」での「人つくり」を目的とするjobなのです。
「障がいのある人の芸術領域」の裾野をひろげ、
頂を高くする「人をつくる」ことに文化庁が動いています。
インカーブ以外にも様々な方々にご協力いただき、
「この分野」での「人つくり」を進めています。
コンテンツ(アーティストが描くタブロー)の精度は高くても
それを運ぶシステム(彼ら/彼らの作品に同伴するスタッフの素養)は
いまだ発展途上です。
コンテンツを生かすも殺すもシステムの出来次第。
来期の課題がみえてきました。


 

しびれる名著

ニヤリ。彼の言葉に触れると何故かほくそ笑んでしまいます。
先月、美術評論家の故南嶌宏さんの新刊『最後の場所』がでました。
「キュレーターが美術館をデザインする」ことで
「その建築的な性に転位を加えることを企てた」(p193-195)とあります。
彼は評論家というよりデザイナー、というより革命家(?)。
彼の「問いに対する、私なりの態度の現れ」を面授によって幾度となく教わりました。
その熱量とアウトロー的態度。しびれる大人です。
副題にこうあります「現代美術、真に歓喜にあたいするもの」。
森村泰昌・やなぎみわ・日比野克彦・草間彌生、
そして元ハンセン病の患者さんや障がいのあるアーティストを絶対的なパラレルに置きます。
そして、彼の態度を表明するのです。
しびれる名著、ぜひ、ご照覧ください。

https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%80%E5%BE%8C%
E3%81%AE%E5%A0%B4%E6%89%80%E2%80%95%E2%
80%95%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%BE%8E%E8%A1%
93%E3%80%81%E7%9C%9F%E3%81%AB%E6%AD%93%
E5%96%9C%E3%81%AB%E5%80%A4%E3%81%99%E3%
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8C-%E5%AE%8F/dp/4865030522/ref=sr_1_1?ie=UTF8&
qid=1512003029&sr=8-1&keywords=%E6%9C%80%E5%
BE%8C%E3%81%AE%E5%A0%B4%E6%89%80

「シューとした体型」を目指す

若旦那・林智樹37歳の誕生日です。
自転車通勤をはじめても燃焼しきれない肉体を持て余しています。
なぜ、脂肪は燃えないのか?なぜ、カレーパンを食べてしまうのか?
謎は深まるばかり。
来年3月のアートフェア東京までに「シューとした体型」を
つくることを宣言しております。期待半分、見守っていきたいと思います。
お好み焼きでお祝いの1部。ケーキでお祝いの2部。
「シューとした体型」を目指すのは、とりあえず明日から。
頑張れ、若旦那。

障がいのあるアーティストの「活動を充実させたい!」「表現活動をサポートしたい!」
「課題を解決したい!」そんな要望に厚労省が「障害者芸術文化活動普及事業」としてサポートしています。
今週23日、インカーブの神谷と丸岡、インターン生の棡葉の3人が「創作と市場」についてご説明しました。
「福祉と市場」は「水と油」ではなく、「匿名性」が担保され「一定のルール」のある場所。
ただ「福祉×市場」では「2段ロケット方式(基壇は国、上段が民のサポート)」が採用される時代だといいます。
基壇のロケットと上段のロケットの「接合」の仕方で「活動を充実させたい!」
「表現活動をサポートしたい!」「課題を解決したい!」その精度は変わっていきます。
近時、オリンピックバブルの補助金/助成金はこの業界をジャブジャブに満たしています。
でもでも、気をつけてください。
社会福祉事業者は、切実なニーズをもつ当事者の「日常を守る」ことが第一義。
そこを疎かにすればロケットの接合部は破損します。
つまり福祉の「心ある市場化」は頓挫。
オリンピックバブルに犯されてしまいます。
あたりまえのような「日常」を実現するために市場化は実現すべきだと思います。




金沢美術工芸大学にて

障がいのあるアーティストの存在そのもの、
彼らの制作そのものを学んでもらいたくて厚労省と文化庁の委員会で議論したのは数年前でした。
国公立の5つの芸大/美大の知恵を動員してその取り組みを実現してほしいと呼びかけ、
すぐに東京芸術大学が起動。次に追随してくれたのは昔からご縁のある金沢美術工芸大学でした。
そして愛知県立芸術大学・沖縄県立芸術大学が続いてくれました。
今週21日、金美で「障がいのあるアーティスト」を「新進芸術家」と「2回生(ほぼ)全員」に紹介しました。
我々のような社会福祉事業者ができること、大学ができること、そして学生君ができること。
その重なりを次代を創る人に見てほしい。丁寧にていねいに。心から期待しています。
(金沢美術工芸大学 文化庁委託事業 平成29年度 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業)



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