どんな言葉を添えたらいいだろう。
菊池歩さんから「帯に言葉を」とご連絡をいただき、
とっても悩みました。
なんせページを繰っても言葉がないのですから。
手がかりがみつからない。
私たちは理知分別(理性・知性・分別)で
人やものを判断し評価してきました。
それを狂わす人やものに出会わないように
用心深く迂回路を用意して。
もし出会っても見てみぬ振りを決め込んできました。
『タレル・デ・マリア』な作品は
「消えていくような美しさ」があります。
James Turrellのように、Walter De Mariaのように。
いままで取りこぼしてきた色や形、人がありました。
理知分別を超えたところの表現がいっぱいです。
ぜひ、手にとってみてください。
迂回するにはもったいないです。
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%BF%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2-%E8%8F%8A%E6%B1%A0%E6%AD%A9/dp/4907461208/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1545969087&sr=8-1&keywords=%E8%8F%8A%E6%B1%A0%E6%AD%A9&fbclid=IwAR38cRWTMCEi6uD6e80uZ40YTHs7LTzGgTjzyvWt_TbHpv-O7dvQOz30Xr4
過去の記事 → 2018年12月
今朝、編集者から届いた雑誌をめくっていると
東大・松井さんの小論
「市場を通して自立のための依存先を増やす」が掲載されていました。
引っかかりポイントは至極当たり前の
「人はひとりでは生きていけない」という言葉。
人は狩猟採集の時代から家族をつくり
その外周に共同体をつくって自らを守ってきました。
つまり二重構造だったわけですね。
狩猟採集民の村は150名程度の人数で構成されていて
「顔が見える社会」だったといわれてます
(レヴィ=ストロースは『悲しき熱帯II』のなかで
ポロロ族の村を指して同様のことを述べていました)。
現代ではその域を大きく超え「顔の見えない社会」で暮らしています。
松井さんは顔の見えないもの同士が集まることろで、
人と人がつながっていくための重要な要素として「市場」があると書きます。
「この顔が見えない取引というのは、
言い換えれば顔で差別をしない取引ともいえます。
つまり、市場の中には年齢や性別、ハンディキャップの有無などで
人を差別しないという行動規範が存在しているのです。
だからこそ市場は、人と人をつなげていくのです。」
勇気をもって障がいのあるアーティストの作品を
「顔で差別をしない取引」に委ねてみてはいかがでしょう。
もしその時がきたら市場は万全ではない、
市場には怖い人もいるかも…と呪文をくりながら歩みを進めてくださいね。
くれぐれも勢いだけで進めてはいけません。
どうせ「人はひとりでは生きていけない」。
だから「顔が見える社会」と「顔の見えない社会」を
行ったり来たりしながら自らを守るべきなのです。
そんなこんなを考える初めの一歩にオススメです、松井さんの小論。
『第三文明』来年2019年2月号 p23-p25。
(12月28日発売だそうです)
https://www.amazon.co.jp/%E7%AC%AC%E4%B8%89%E6%96%87%E6%98%8E-2019%E5%B9%B4-02-%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C/dp/B07K138XKF/ref=sr_1_3?ie=UTF8&qid=1545876818&sr=8-3&keywords=%E7%AC%AC%E4%B8%89%E6%96%87%E6%98%8E
クリスマスに新木画伯の『ドロップキック』が嫁いでいきました。
お相手は日本を代表するデザイナーの徳田さん。
はじめて私がお目にかかったのは11年前の汐留・電通でした。
まっ黄色のダウンベストを着た徳田さんが忘れられない。
その時も新木さんの作品に一目惚れしてくださって、ほんと嬉しかった。
電通を卒業後、canariaを率いて、企業ブランディング、
商品企画などのプロジェクトを手掛け、
国内外60以上のデザインアワードを受賞。
今年も快進撃でしたね。
いつもデザインの可能性を教えてくださいます。
デザインこそ社会改革に必要なツールです。
それにしても『ドロップキック』いいですね。
今年一番の新木作品だと思います。
みなさんに知っていただけると嬉しい!ありがたい!
今日は社会福祉法人で働く「ヒト」についてのお話です。
ところで1/20,000って何の数字かわかりますか?
分子はインカーブ。
分母は全国の社会福祉法人の数(2017年度福祉行政報告例では20,798法人)です。
そこで働いているヒト(スタッフや運営者を含む)は約870,000人。
利用されているヒトは2960,000万人。
働く彼ら/彼女らの仕事を平たくいうと「生活の困りごとをなんとかすること」
(だと私は解釈しています)です。
知恵をしぼって「なんとかできること」を「なんとかしよう!」。
それが社会福祉法人のミッションです。
「生活に困りごとを持ってないヒトなんているの?」そんな声が聞こえそうですね。
そう、生活に困りごとを持ってないヒトはいません。
1億2650万人、みんななんだかんだで困っているのです。
そんなヒトと困りごとを守備する社会福祉法人の仕事はひろくて深い。
そんな難しい仕事のクオリティは働くヒト約870,000人の質に依拠しています。
なんせ社会福祉は「ヒトとヒトの間」の出来事なのですから。
すこし横道にそれますが福祉と社会福祉の違いをご存知ですか?
一番ヶ瀬康子氏の論を引けばこうなります。
「『福祉』をたんなる主観的な心情としてとらえるのではなく、
主体的に人間らしく幸福に生きる権利(日本国憲法第一三条)の
基盤、機会、条件であり、日常の暮しの中での必要への努力、
それが『福祉』であり、それに対して、社会的に生まれてきた対応が、
社会福祉とよばれてきたものである」と述べています。
平たくいうと普通ではない日常を「幸せに生きる」ために
「なんとかしょう!」というのが社会福祉です。
ね、いいお仕事でしょ。気持ちのあるお仕事でしょ。
私は年々、その深さと面白さに出会っています。
すみません、前置きがながくなりました。
今日、みなさんにご紹介したいのは
社会福祉法人で働く「HERO`S」と呼ばれるヒトたちです。
高齢者や児童、障がい者施設で「なんとかしょう!」って踏ん張っている
彼ら/彼女らの仕事に注目してほしいのです。
覚悟をもって働き出したはずなのにポキっと心が折れそうなヒトがいます。
社会福祉の専門職ってなんだろうって悩んでいるヒトもいます。
「なんとかしょう!」って思っているヒトを知ってほしい、
そして踏ん張っている者同士が繋がってほしい。
そうしたらポキっと心が折れないから。
誰かのために頑張らなきゃという気持ちはヒトを最強にします。
そんな「HERO`S」は社会福祉というところで働いています。
http://www.shafuku-heros.com/index.html
https://www.youtube.com/watch?v=5X8GuwTRqVA
今年のインカーブ講演がすべて終了しました。
ありがとうございました。
大学が数カ所、小学校が1箇所。
講演の大半はスタッフが行ってくれました。
特に今年は30代のスタッフが急成長。
というか下準備は20代の頃に済ませていたのでしょう。
いい塩梅の時期を迎えたようです。
先日の沖縄県立芸術大学に引き続き愛知県立芸術大学で
「障がいがあるひとの創作活動 –ソーシャルデザインの観点から」と
題しスタッフ片岡學がお話しさせていただきました。
愛知芸大では、美術学部の1年生(まだ10代の学生さん!)
にもご参加いただき「アート×福祉」のお話を。
今回の講演がすぐには役に立たなくても、
将来どこかで「障がいのある人」のことや
彼らの創作活動について考えるきっかけになれば、この上ない喜びです。
「アート×福祉」をデザインする人が
ひとりでも社会福祉の分野で働いてくれることを願っています。
精度の高い設計図書を作ってください。