すこし早いのですが神谷梢の39回目の誕生日会をしました。
39歳といえば、アトリエインカーブを立ち上げた時の、僕の歳。
当時、神谷は確か26歳。
社会福祉法人の立ち上げ、建築、住民説明……2人して
「あの時ほど、しんどいことはなかったな〜」なんて、いまだに話しています。
縁あって、いまも一緒にいます。
過去の記事 → 2015年08月
ソーシャルワークは「専門職」である、とされています。
つまり「その道のプロ」。
また、ソーシャルワークが焦点を置くのは、問題解決と変革である、
と国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)では謳っています。
「その道のプロと言われるソーシャルワーク専門職が社会(環境)と
クライエントの接合面で興る、ややこしい問題を解決する。
解決できひんのなら変革を興す!」というものです。
そこで時々、考えます。「専門職」とは何ぞや?
「専門職」と「非専門職」の違いはどこにあるのだろうか?と。
昨日、大阪府大でお借りしたドキュメンタリー映画「Healing Homes」を
インカーブのスタッフとみました。
映画のポイントは2点あったように思います。
1点目は「精神障がいと薬の投与の是非」。軍配は「投与の非」でした。
そして2点目は前述した「ソーシャルワークと専門職/非専門職の是非」です。
軍配は「非専門職の是」でした。
1点目の「精神障がいと薬の投与の是非」に関しては、正直判断がつきません。
薬の投与を続ける精神障がいの方と深いお付き合いがないので是非を述べることができません。
スミマセン。
あくまで耳学ですが米国では「薬の投与」が是とされているようです。
それは何故か?製薬会社の陰謀説もあるようですが、
個人的にはそれよりもっと以前のことではないかと思います。
思想をつくるのはその民族の宗教だと言われます。
米国のプロテスタント民族(2014年にはプロテスタントが40%弱にまで減少しているそうだが)の
「告白」に猶予を与えないことがひとつの要因ではないかと思います。
つまり、教会で己の罪を告白できないので、精神科、臨床心理士に告白する。
告白されたドクターはすべてを受容できないので、薬に頼る。
米国に追随する日本も同様の現象があると聞きます。
僕は一日、10種類以上の薬を飲んでいます。それで、ようやく身体の痛みが軽減されます。
精神と身体の障がい部位の違いはありますが、薬は不必要ではないように思います。
ようは案配のいい、使い方。薬に飲み込まれないことでしょうか。
寛容でクレバーなドクターを見つけることが最大のポイントです。
薬好きのドクターは好みません。
2点目の「ソーシャルワークと専門職/非専門職の是非」。
少し観点を変えてお話します。
なぜ、福祉労働は評価されないのか?
なぜ、福祉労働者の年収は全産業でも最底辺に位置するのか?
それは専門職と非専門職の見分けがつかないからです。
医者と非医者、弁護士と非弁護士、建築家と非建築家、見分けがつきます。年収差もあります。
戦後、医学(医療従事者)に追いつけ!とエンジンをふかした福祉(福祉従事者)は
いまだに追いつけずにいます。
それは、ソーシャルワークという専門職を専門職として認めない
日本の政治のテイタラクも大きな要因だと思います。
また、テイタラクな政党や政治家を支援する我々にもその要因はあります。
「Healing Homes」では「非専門職の是」としました。
はたしてそうでしょうか?
ソーシャルワークとは特別の価値や知識や実践を必要としないでしょうか?
社会と福祉(社会福祉)を結ぶには相当な人間力が必要です。腰掛けでできるような仕事ではありません。
でも、「Healing Homes」では「非専門職」の「農業を営むご夫婦」は精神障がいのある方々を、
薬を使わずに、かつ、米国化されたソーシャルワーク語を利用せず、快方に向かわせたといいます。
福祉職のみなさんは、どう、考えますか?
「精神障がいと薬の投与の是非」と「ソーシャルワークと専門職/非専門職の是非」。
インカーブのスタッフにも投げた質問です。
以下のYouTubeで日本語訳の「Healing Homes」が投稿されています。
ぜひ、お時間が許す時に。79分です。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=zkvh1SknvrI
「『癒しの家』薬なしでの精神病からの回復についての79分のドキュメンタリー映画。
伝統的な精神医療で上手く行かなかった人々を家族、多くは農家の家族に預け、
まったく新しい人生を始められるようにする、スウェーデンの団体・ファミリー・ケア財団を詳しく探訪する。
臨床家、クライエント、ホスト・ファミリーとのインタビュー。ダニエル・マックラー監督」
「時が経ることで美しさが増す材料を使うべき」だと考えたのは建築家のミース・ファン・デル・ローエだけではありません。
今朝、女優の山口智子さんからお手紙とお菓子と一緒に『LISTEN.』(BS朝日)のお知らせが届きました。
LISTEN.とは「音で世界を体感し、人から人へ幾年月もかけて手渡されてきた文化の美しさを再発見してゆくプロジェクト」です。
彼女みずから旅に同行し「時が経ることで美しさが増す」音と映像をディレクション。
女優の山口智子さんも素敵ですが、作品の送り手の山口智子さんは圧巻です。
凛とした彼女の生き方が現れているように思います。
20回目のエピソードは「北極圏ラップランドでトナカイ遊牧により生きてきた民族「サーミ」の歌。
そして、サウダーデ(郷愁)の地・ポルトガルの心を歌う「ファド」。新しいファドを切り開くファディスタと
ポルトガルギターの一夜の饗宴」です。ぜひぜひ、ご覧下さい。
●Episode 20 Áibmu 大気
9月20日(日)23:30〜 BS朝日
●Episode 21 A Vida 人生
9月27日(日)23:30~ BS朝日
http://www.the-listen-project.com/jp/news/item/403-n6-2015-seasonj
先週末、一月半ぶりに村木厚子さん(厚労省事務次官)とご一緒しました。
プライベートでお話を聞く機会も多いのですが、講演会の客席で聞く村木節は一段と腹にしみます。
登壇された「きしわだ男女共同参画フォーラム」で話された最大のポイントは
「生産労働人口が激減する日本で、いかに女性・障がい者・高齢者の『最適配置』を行うか」だったと思います。
最適配置とは、つまり、それぞれのお役目にそった場所の確保です。
近代の市場主義が不配置だと決めつけた人こそ必要な人だということです。
「女性だから、重要なポストを任せるのは無理むり、だって結婚したら、子供が生まれたら、
辞めちゃんでしょ」とか。「障がい者だから、手が遅いよね、残業もきついんじゃない、
うちの会社はしんどいよ、続くかな」とか。「高齢者だから、もう、のんびりされたらどうですか、
お孫さんのお世話でも」とか……そんな「だから」を宣う旧来の人は日本を経済的にも文化的にも崩壊に導きます。
日本人全員がよってたかってこの国を支えなくては、ほんと、潰れちゃいます。
僕は日本が好きだから、それは困るのです。
講演の最後に村木さんが「もっともっとスピードをあげて、頑張らなきゃ」とお話をされていました。
ご期待ください!
https://www.city.kishiwada.osaka.jp/soshiki/26/dannjyo2015.html
講演終了後の第二幕は親友を誘い「思い出の焼肉屋さん」に。
村木さんが164日拘置された後に一緒にいった焼肉屋さんは相変わらず、汚いけど、旨い肉をだしてくれます。
ビール片手に講演会の内容よりグッとミクロなソーシャルワークのお話をしました。
特に「障がい者のアグリ就労の可能性」や「障がい者の結婚」、「障がい者の通勤寮復活」について。
施策には問題があるのが当然です。だって人間が作るんですから。
だから、顔をみて話しをして、解決のきっかけを見つける。でも、また問題を含んでる。
だから、また顔をみて話しをする。その繰り返しの必要なんでしょうね。
「女性だから、障がい者だから、高齢者だから」がポジティブになる時代がそこまできています。
「もっともっとスピードをあげて、頑張らなきゃ」です。
インカーブの海外進出・第二弾が決定しました!!
今年3月、NYで開催されたアートフェア・スコープに引き続き、
台北の高雄で開催される「ART KAOHSIUNG(アートカオシュン)」に出展します。
「高雄は東北アジアと東南アジアの地理的な交通の中心であり、
台湾で2番目に大きい都市」で「台湾のマイアミ」と言われているようです。
また「日本の小山登美夫ギャラリー、ホワイトストーンギャラリー、高雄の新思惟人文空間、
台南の索卡芸術中心、台北の尊彩芸術中心、亦安画廊など、日本、韓国、シンガ ポール、香港、
ドイツ、スイス、ロシア、ベトナムなどの優れたギャラリーが参加していま す。
入念に企画したコレクター計画と相まって、台湾北中南部各地の300名近いコレクターの招待に
成功した」と紹介されています。
http://www.art-kaohsiung.com/ak2015-homeen.html
欧米の主要アートフェアに比べれば、フェアの規模や入場者数・作品の販売実績では
見劣りするデーターもあるようです(バーゼル級は別にして)。
ただ、成長度は日本のアートフェアを上回る勢いだということも事実。
また、輸送費を勘案すると欧米オンリーでは難しいインカーブの台所事情もあります。
現段階では、東京を含めアジアのアート市場を基軸にしなかがら、
欧米への進出をオプションで持つというのが現実的な選択となりそうです。
インカーブにとって、「ART KAOHSIUNG」が今年度最後のアートフェアです。
ぜひ、台湾・高雄にお越しください。
ピーチで飛ぶなら東京と大阪間よりも格安です。
展示期間:2015年12月11日(金)から12月13日(日)まで
オープン時間:11:00 – 19:00(12月13日は11:00から18:00まで)
ゲスト向けプレオープン:2015年12月10日(木)14:00 – 18:00
オープニングパーティー:2015年12月10日(木)18:00 – 20:00
場所:城市商旅 – 高雄真愛館(高雄市塩埕区大義街1号) 駁二芸術特区(高雄市塩埕区大勇路1号)
出展ギャラリー:110軒