皇太子殿下がインカーブにお越しくださいました。
一生で一度の大切な一日を頂戴しました。
沿道で殿下のご到着を待ちながら「なぜ、インカーブをお選びくださったのだろうか?」と考えていました。
仏教では何か事が起る時にこのように考えます。
「因果=原因があって、結果が導かれる」のではなく、
「因縁果=原因があって、ご縁が繋がり、結果が導かれる」と。
インカーブのアーティストたちの長年の活動が「因」となり、
殿下がお越しくださる「縁」に繋がったのだと思います。
そして、近い将来、「果」がひょっこり姿を現してくれる。
その時を楽しみに待っています。
お別れする時に殿下から「ますますのご発展を」とお声がけいただきました。
お言葉に恥じないように、軸をぶらさず、インカーブらしい活動を続けいきたいと思います。
過去の記事 → 2015年07月
明日、皇太子殿下がインカーブにお越しになられます。
7年9ヶ月ぶりの来阪。インカーブをご視察場所に選んでいただきました。
先導役は、わたしが務めさせていただきます。
殿下を前にして、何を感じるのだろう……朝からそんなことを考えていました。
でも、想像がつきません。
デザインを生業にしてきた身としては想像するのがお仕事。
「デザインとは整理整頓すること」なんて若手スタッフには偉そうに言っているくせに、
今回は頭も心も整理整頓もできそうにありません。
こんな感情は何年ぶりでしょうか……半世紀生きて初体験かもしれません。
殿下に身を任せてお話させていただきます。
報道機関に公表されて約2週間。
なにごともなく今日まで過ごすことができました。
半年におよぶ宮内庁・大阪府・大阪府警・平野警察のご尽力があってのことです。
心から感謝しています。
気がかりは台風の直撃……なんとか回避できますように。
なんとか無事に行啓が進みますように。
『アトリエ インカーブ Jr.』体験会のお誘い、です。
「アトリエ インカーブのアーティストになりたいんです」ってよくお声がけをいただきます。
でも、定員が一杯なんです。
稀に一席あいても、すぐに埋まってしまいます。
今に始まったことでじゃなく、ずっとそんな状態です。
また、子どもたちからも「アトリエ インカーブのアーティストになりたいんです」ってお声がけをいただきます。
でも、アトリエ インカーブは18歳以上のアーティストを対象としたアトリエ。
そこで、あーでもない、こうーでもないと考えました。
そうだ、アトリエ インカーブではなく違った事業を立上げよう!
といっても我々はアートやデザインに関わる活動しかできません。
そして『アトリエ インカーブ Jr.』の構想が浮かびました。
活動はアトリエ インカーブと同じです。
知的に障がいのあるアーティストが絵を描いたり、立体を作ったり、指導されることなく、
管理されることなく、時間にしばられることなく「作品」をつくる。
そんな環境を『アトリエ インカーブ Jr.』でも作りたいと思っています。
ただ、『アトリエ インカーブ Jr.』とアトリエ インカーブでは二つだけ違うところがあります。
一つ目の違いはアーティストが「小学生から高校生まで」だということです(アトリエインカーブは18歳以上)。
二つ目の違いは一日の定員が「10名」だということです(アトリエ インカーブは20名)。
アトリエ インカーブも小さいのですが、『アトリエ インカーブ Jr.』はもっともっと小さなアトリエです。
『アトリエ インカーブ Jr.』を作ろう!といってもご希望してくださるアーティストがいるのだろうか。
18歳以上のアーティストしかご一緒したことがないアトリエ インカーブがJr.の方々に対応できるのだろうか。
そんな不安を持っています。
そこで「アトリエ インカーブ Jr.の体験会」を実施することにしました。
この体験会は『アトリエ インカーブ Jr.』をスタートさせる前段階として皆さまに「おためし」いただくものです。
ぜひご参加いただき、お子さまやご家族からのご意見・ご要望をお聞かせください。
『アトリエインカーブ Jr.』は来春スタートを目指しています。
[9月の体験会情報]
◎日時
2015年9月10日(木)15:30-17:30
2015年9月15日(火)15:30-17:30
2015年9月18日(金)15:30-17:30
10・11月も体験会を行う予定です。
ご希望の方はご相談ください。
◎場所
アトリエ インカーブ内
(大阪市平野区瓜破南1-1-18)
◎定員
各回10名(予約制のため定員になりしだい募集締切)
*活動時間には準備・片付けの時間を含みます
*時間内にアトリエ インカーブの説明を30分ほど行います
◎対象
知的障がいのある小学生~高校生
受給者証は不要です
(『アトリエインカーブ Jr.』は、放課後等デイサービス事業として行います)
◎送迎
ご家庭での送迎をお願いします
3台ほどの駐車スペースがございます
◎費用
1日500円(画材をご用意します)
◎服装
汚れてもいい服装でお越しください
なお、10月・11月にも体験会を予定していますが、
2016年春OPEN予定の放課後等デイサービスの登録者が定員に達した場合は、
体験会を実施いたしませんのでご了承くださいませ(10月以降の体験会についてはお問い合わせくださいませ)。
添付画像に掲載している写真は生活介護事業所アトリエ インカーブの活動風景です。
[お問い合わせ]
Tel 06-6707-0165
電話受付:火曜-金曜 10:00-17:00
担当者 :社会福祉法人 素王会 アトリエ インカーブ 担当:左海(さかい)・中村
大阪市平野区瓜破南1-1-18 Fax:06-6707-0175
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の「文化・教育委員会」に参加してきました。
今回は第一回目だったこともあり若手有識者(舞台芸術、音楽、絵画など最前線で活躍されている5名)を
招いて「2020年東京大会を契機として残すべきレガシー」とは何ぞや、のプランを聞き取りました。
それぞれの立ち位置で、それぞれのご意見が出ました
(実はこの委員会は非公開。詳しいプランまでご披露できません……。
なぜ、非公開なのか……わかりません。でも、なんとなく察しはつきますが)。
それぞれの意見を受けて、委員会の委員がそれぞれの意見を述べ合う、というのが会議の進行手法だったようです。
ただ、あまりにも話す持ち時間が少な過ぎ。朝4時に起床して虎ノ門に10時前に着。僕が話したのは3分ほど。
愚痴っぽくなってスミマセン、でもあまりにも少な過ぎでした。
本題の議論の話しに戻します(非公開なのであたりさわりのないことを少しだけ)。
障がいのある委員は僕一人だったのでパラリンピックの話しは少ないだろうと予測していたのですが、
意外やいがい、数人の委員からパラリンピックこそ盛り上げるぞ!って声があがりました。
そうですよね、なんせ、オリンピック・パラリンピックなんですから、チカラ配分は同じにしてもらわねば。
僕からは東京都から報告のあった「東京文化ビジョン」http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/bunka/jyorei/vision.htmlについて
少々イチャモンをつけさせていただきました。
冊子p9には「障害者アートへの支援や障害者の鑑賞・参加を促す活動の推進等、
文化面でバリアフリーな都市として認知される取組の展開」で
「東京都現代美術館に『アールブリュット』発表の場を設置」なる構想が記されていました。
一部の福祉事業者の政治家を巻き込んだ強力なロビー活動やそれを後押しする美術研究者の善意の結果、
「アールブリュット」が完全に「障がい者アート」と同意語なってしまいました。
本当にそれでいいのだろうか……疑念は強烈にあります。
障がいのあるアーティスト達の作品や活動を「アールブリュット」とラベリングする(カテゴライズする)こと。
その罪は重いと感じています。
ラベリングからの解放が福祉活動で問われる価値観だと思うのですが、国や東京都は価値観が違うようです。
長年、インカーブは「彼らの作品は現代に生きるアーティストが創造する、現代のアート」であり、
「アートの前では完全にフラットである」と主張してきましたが、いまでは反体制派のようです。
今回の委員会で一番印象に残った「悲しい結末」でした。
そして、より一層、インカーブらしい立ち位置を守って反体制でいようと思いました。
政治もそうでうが一党独裁では危険ですから。
先月30日に起こった東海道新幹線の事件について、考えています。
当日は朝から厚労省と文化庁の会議に出席するために東京に向かっていました。
(結局、事件の余波で会議に出ることもできず、夕方から村木厚子さんが待つ
厚労省の事務次官室にお邪魔するのみで一日を終えました)
車内に閉じ込められた4時間で自死した人の顔が浮かんできました。
遠くの人ではなく、とてもとても身近な人の顔です。
今回の事件のように人様を巻き込んだ行為は許されるものではありません。
ただ、あのような行為の引き金はなんだったのか…。
僕の身近な人もきっと同様だったのではないか。
マスコミが報じるようにその一因は金銭苦、だったのかもしれません。
体調が芳しくない、それも原因でしょう。
でも、本当の原因は社会との断然です、絶望感です。
生きる価値づけが見いだせなかったからです。
生活保護のシステムが劣化しているとか、福祉予算の分配方法が間違ってると福祉研究者はいいます。
ですが、そんな科学的な思考のズット前に問題は出来上がっていたのではないでしょうか。
とてもとても身近な人を自死させてしまったから、そう思います。
自らを守る為に、とてもとても身近な人を守る為に、
迂遠すぎると感じるかもしれませんが、生きる意味を問える哲学や宗教に出会ってほしいと思います。
できれば子供の頃に善知識に出会ってほしいと思います。