*新型コロナウイルスの感染拡大の状況を鑑み、現在[おなじ釜の飯]プロジェクトを休止しています。

 こんにちは、アトリエ インカーブです。 有給のインターンシップ制度、[おなじ釜の飯]プロジェクト(略して釜飯)は、 今年で3年目を迎え、これまでに7名の方にご参加いただきました。
 一方で、「釜飯に参加したいけど大学の授業があって、毎日は行けない」「夏・冬休みの1ヶ月だけ参加できないか」など、 学生の皆さんからのお問い合わせも数多くいただきました。そこで、インターンシップ制度の期間を見直しました。 これまでの長期「3ヶ月以上」でのご参加に加え、短期「3ヶ月未満(夏・冬休み)、毎週2〜3日等」の募集も開始します。 学生の皆さんも、ぜひご応募くださいね。

今中博之

 インカーブは、17年にわたって知的に障がいのあるアーティストたちの創作活動の環境を整え、 彼ら/彼女らが作家として独立することを支援してきました。 国内の美術館やギャラリーでは、展覧会が企画され、国内外のアートフェアにも出展しています。

 「美術や福祉の学校に通っていてアート支援に興味があるけど、どんな仕事か分からない」 「障がいのある方のアート支援をしているけど、アートやデザインの専門知識がなくて困っている」 という方のお手伝いをさせていただくため、このプロジェクトを始めました。

 [おなじ釜の飯]プロジェクトでは、私たちスタッフやアーティストとおなじ釜の飯を食べながら、 インカーブ独自の障がいのある方の創作活動の支援や、作品展示発表・作品販売などのノウハウをお伝えします。 「ずっとインカーブにいる/仕事をする」ということではなく、 これからの就職の参考に、あなたの働く場所やこれから働こうとする場所に、活用していただければと思います。

インカーブとおなじ釜の飯を食べてもいいよっていうみなさまのご応募をお待ちしております。

募集要項

*新型コロナウイルスの感染拡大の状況を鑑み、現在[おなじ釜の飯]プロジェクトを休止しています。


実施場所

社会福祉法人 素王会 アトリエ インカーブ(生活介護事業所)


実施期間

 ・ 短期 : 3ヶ月未満(学生の夏・冬休みなど)
 ・ 長期 : 3ヶ月以上
*日数は「毎日」もしくは「毎週2〜3日」などご希望をお聞かせください。
*期間や日数は採用された方の状況に応じて相談・調整いたしますので、お気軽にご相談ください。


募集人数

若干名


募集対象者

・ 美大・芸大・福祉関連の学部や大学院などに在学中で、アート支援に興味のある方/
 就職を目指している方/障がいのある方の創作活動を卒論・修論・博論の研究テーマにしている方
・ 現在、障がいのある方の創作活動に関わっている方
 *働いておられる企業・施設との調整<休職等>が必要となります
・ 近い将来、アート系の福祉事業を起業したい方/就職を目指している方


応募〆切

お問合せください


[おなじ釜の飯]プロジェクトの内容

 アーティストとおなじ釜の飯を食べながら、創作活動をサポートし、安心できる環境づくりを学んでいただきます。 そのために必要なノウハウを「実践と研究」の両面でお伝えしたいと思います。実践とは、アーティストの体調管理に始まり、 声掛け、作品の管理・保管・市場へのアクセス方法です。研究とは、アートやデザイン、福祉領域で発表されている近時の論文や書籍を輪読し、 論文化/レポート化していただくことをいいます。文章を書くことは、実践の反省を促し、他領域との接続方法を深めます。 アート系の福祉事業には、熱い心だけではなく、冷静な頭が必要だという思いから自主トレーニングを兼ねて研究活動を推奨しています。 つまり、[おなじ釜の飯]プロジェクトとは、インカーブのスタッフが行なってきた仕事の進め方と、 その方向を見定めるための勉強の方法をお示しすることです。また、プロジェクト期間中に国内外のアートフェアやシンポジウム・ 講演会があれば、同行していただくこともあります。


[ アーティストとの日常業務 ]

・ 介助、体調管理、お声がけ、など生活全般の支援


[ アーティストの制作環境の整備 ]

・ アーティストの制作に関わる画材やモチーフの準備


[ デザイン業務 ]

・ 完成した作品の管理、作品撮影
・ グッズ制作、在庫管理


[ ソーシャル デザイン ]

・ 国や行政への提言
・ 展覧会、講演会の企画・運営・設営


[ 自主トレーニング ]

・ 論文や書籍の輪読
・ 論文化/レポート化

*インターンの時期により内容に変更があります


労働条件

勤務日

月曜日〜土曜日 (月曜日不定休 / 日曜日・祝日休み / 月8回休み)

勤務時間

9:30〜17:00(休憩時間 12:30〜13:30)
*採用された方の状況に応じて、就業期間、勤務時間などは調整させていただきます

給与

時給936円

食費

昼食代1食 実費720円自己負担

交通費

月額7,000円(税込)まで支給

住居費

自己負担




選考方法とスケジュール

①書類選考

Webサイトにてエントリーしてください。
 エントリーの情報をもとに書類選考を行い、後日結果をご連絡します。

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②面接選考

志望動機や希望する時期・期間をお聞きします。
面接後、2週間以内に結果をご連絡します。

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③実施選考

3日〜1週間程度、アトリエ インカーブの活動に参加していただき、
クライアントとのコミュニケーションの様子を拝見します。

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④インターン採用決定

採用された方は、時期などご相談させていただきます。

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⑤インターン開始

Webサイトに掲載するためのインタビューにお答えください。
期間中であっても、継続が難しいと判断した場合は中止することがあります。

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⑥終了・報告書提出

活動終了後に報告書を提出してください。Webサイトに掲載します。




参加者の声

第11期

小原 緑さん
おとなアート こどもアート主宰

障がいのある方と係わる「きっかけ」を教えてください。

主宰するアトリエで障がいを抱える子どもたちと出会いました。当時はアトリエを飛び出していってしまったり、パニックをおこしたり、描いた作品をぐちゃぐちゃにしてしまったり…と、色々な事が起こりました。でもその都度、なぜこんなに辛そうなのか、改善してあげられる方法があるのではないか、と考えている自分に気が付きました。お母さん方に教わりながら、その日の作業工程の絵カードを作ったり、水道や玄関に分かりやすい表示を貼ったりと、少しずつみんなが過ごしやすい空間づくりを心掛けました。そうして日々を過ごしているうちに、その子たちのパニックは減り、制作に集中できる日が増えていきました。障がいとはいったい何なのか、工夫ひとつで障がいが障がいではなくなることがあるのではないか、そう思いました。

   

福祉の問題で最も関心のあるテーマは何ですか。

子どもたちと障がいを抱える人たちの関わりです。私のアトリエでは、幼稚園児~高校生、障がいを抱える大人が同じ空間で絵を描いています。出会った初めのうちは、強い個性を受け入れなかった子たちも、数週間、数か月と一緒に時間を過ごすうちに、アートという目線を通じてお互いを認め合うようになりました。障がいといわれているものが、制作のさまたげにならないことに気が付き、作品も尊重するようになりました。もちろんお互いを理解するまでの過程には、時に差別的な気持ちが湧き出てしまうことや、喧嘩などもあります。でもそれでも一緒に居ることの意味は大きいと思います。ごく小さなコミュニティではありますが、私はこのように子どもたちが変わっていく様子を目の当たりにしました。そしてこのことは、10年後20年後の福祉に変化をもたらすきっかけになるのではないか、と強く思うようになりました。

   

なぜ釜飯プロジェクトに参加しようと思ったのですか。

インカーブがアーティストの作品を、現代アートとして世に送り出しているということに共感し、その取り組みの一つ一つを自分も実際に学び、これからの活動に活かしたいと思ったからです。 他にも、5年ほど前にアートフェアの会場で憧れだった今中さんにお会いしました。その正直で優しいご印象に興味を持ったこと、アトリエを訪問させていただいた時に感じた建物内に広がる自由で優しい雰囲気にも心惹かれました。アーティストやスタッフの皆さんの明るい表情も印象的でした。

   

おなじ釜の飯プロジェクトを終えて

 3ヶ月半、インターンとしてお世話になりました。あっという間の時間でしたが、インカーブでアーティストやスタッフの皆さんと過ごしたこの日々は、私の人生においてかけがえのない時間となりました。インカーブで大切にされている「普通の幸せ」は、スタッフの皆さんの日々の丁寧な見守りの先にあるという印象でしたが、インターンに来てわかったのは、それだけでなくアーティストの方々も、穏やかな日常を願い、日々を頑張っておられたということでした。大勢で過ごすということは、ルールを守り仲間とコミュニケーションをとる必要がありますが、アーティストの皆さんはスタッフさんに支えられながら、そのようなことを毎日続けておられました。同じ部屋で制作する人のことを考えて静かに描く。なにか問題を感じたらスタッフに相談する。時間を守る。作品の販売などについては周囲に配慮して話す等、他にも色々ありますが、インターンとして日常のこのような光景を拝見し、「普通の幸せ」はアーティストとスタッフが一緒につくり上げていくのだということに気が付きました。今回、予期せぬ事態によりフェアの出展が中止になりました。でも、それぞれのスタッフさんがデザイン業務などの準備を妥協せず全力で取り組んでいた姿、お互いに助け合う姿を見ることができました。その根底にはアーティストを大切に思う気持ちと、作品への敬意がありました。インカーブでは、一日に何度も「ありがとうございます。」という言葉が飛び交います。人に何かをしてもらったとき、たとえそれが日常の業務であったとしても、スタッフの皆さんは「すみません」ではなく「ありがとうございます。」と相手に言います。そこに、インカーブに流れる明るく穏やかな空気の源を感じました。これから自分にできることを模索していく中で、とても大切な事をこのインターンで学ばせていただきました。本当にありがとうございました。

   

第10期

林 真理子さん
神戸女子大学 健康福祉学部 社会福祉学科

障がいのある方と係わる「きっかけ」を教えてください。

私には、言葉で表現することができない重度の知的障がいをもつ弟がいます。私が物心がついた頃には当たり前のように隣に弟がいました。そのためか、弟のことを「障がい者」と捉えたことはなく、「そのような人」という様に感じながら接してきました。物事の取り組みにも積極的ではなく、他人との関わりには大抵警戒感があるように見えます。弟は幼い頃から多くの画材に触れ絵を描くことを好んでいました。そんな意欲的に創作活動に取り組む弟の姿をみて興味深く思っていました。そのため「福祉」というものを意識した時から私の「福祉」は、障がいのある人の創作活動とともにありました。

   

福祉の問題で最も関心のあるテーマは何ですか。

「障がいのある人の生活」についての福祉の問題に興味があります。障がいの有無に関わらず地域の中で自分らしい生活を送るには何が必要であるかという疑問です。それは一人ひとりの障がいに対しての理解や知識はもちろん、障がいのある人への思いやりを持つ心も重要になってきます。また、できないことを補うことも大事ですがその人が持っている「可能性」を引き出すのも私たちの役目でもあると思います。そのためにはそれぞれお互いがお互いのことをよく考え尊重し、助け合わなければ成り立たないと思っています。

   

なぜ釜飯プロジェクトに参加しようと思ったのですか。

以前私の弟が、アトリエ・インカーブ・ジュニアに参加していた時期がありました。そこでは、弟に合った場所・スペースで楽しく作品を創作している姿があると、親から話を聞いたり、実際に創作中の姿の映像を見たりしました。その際、普段の弟の様子とはまた違い、創作活動に熱中し楽しんでいる姿にとても驚いたと同時に、アトリエ・インカーブとは一体どの様な場所なのだろうと興味を持ちました。また、今中さんの著書である「社会を希望で満たす働きかた ソーシャルデザインという仕事」を拝読させていただいて「ソーシャルデザイン」にも興味を持ちました。とはいえ、中、高校と部活動でかじった程度で私自身アートやデザインの専門知識が少なくて困っているというのが現状です。そこでこの好機に、「福祉とアートと市場」をどうデザインされているのか、ソーシャルデザイナーの仕事を学んでみたいと思いました。

   

おなじ釜の飯プロジェクトを終えて

 アートと福祉が融合する生活介護事業所ということで、今までの学生生活や大学の実習では味わえない学びの多い日々の始まりでした。 朝に行われる体温測定の見守りや何気ないコミュニケーションなど、日常生活の支援を行いました。自分のタイミングで体温測定する方や、 体温計の音が鳴っても自分で決めた時間まで体温計を挟んでいる方、体温測定が難しく行わない方など、一人ひとりにペースがあり、 スタッフも強要しない。 また、何気ないコミュニケーションや行動の中からアーティストの方々の日々の小さな変化に気づくこと。 それが私たちスタッフのやるべきことのひとつであり、“あるべき福祉”なのだと思いました。 プロジェクト期間中はアーティストの個展が開催されるということで作品の選定、展示の準備 、開催当日の接客といった運営作業を微力ながらお手伝いさせていただきました。 額装や作品のデータ化、展示する作品以外もお客様にみていただけるよう他の作品が閲覧化できる“パタパタ”の準備、 アーティスト本人の作品への思いや工夫した点の聞き取り、作品のキャプション作り、グッズ作成など、 開催に至るまで皆様が一丸となって様々な準備を行なっていることを知りました。 また、アーティストに寄り添い、気持ちに慮ることを第一にしつつ、たくさんの工程の中で“デザイン性”というものを強く感じ、 これが「かっこいい福祉」なのかと思う場面もたくさんありました。展示する場所を大事にしていること、キュレーターの存在、お客様の視点など、 福祉と市場をつなぐ上で欠かせないものを改めてプロジェクトを通じて学ぶことができました。 インカーブでは、大学で机に向かいながらでは学べない福祉を学ぶことができました。これから特養実習や就職活動、卒業論文などが待ち構えている中、 「おなじ釜の飯プロジェクト」は私にとってある意味分岐点となり、将来について大きく考えさせられるような、刺激的な一ヶ月半でした。 また、アーティストやスタッフの皆様がたくさん話しかけてくださり、冗談や笑い溢れる空間のおかげで緊張がほぐれ、今でも思い出すと素敵な場所だったなとしみじみ思うことがあります。 たくさんの貴重な出会い、経験の時間をつくってくださり本当にありがとうございました。

   

第9期

清水 啓一さん
介護福祉士

障がいのある方と係わる「きっかけ」を教えてください。

大阪府立金剛コロニー(現在:大阪府立こんごう福祉センター)の職員であった大芸の先輩との出会い。コロニー内の授産施設・窯業棟でのアルバイトが「きっかけ」ということになるのでしょう。ノーマライゼーションの理念が広まる前の70年代、各地の都道府県でコロニーブームが起きた時代で「生まれてから生涯過ごす」総合福祉型巨大リゾート施設と思えるところでした。アールブリュットやアウトサイダーアートなど、情報として皆無だった頃にコロニーの授産品制作のアルバイトが全てのはじまりでした。 当時、障がいのある方の芸術といえば山下清を物語とした「裸の大将」だけが思い出されます。

   

福祉の問題で最も関心のあるテーマは何ですか。

「福祉」=「人を幸福にする仕事」という理想はありましたが時代の変化とともに様々な課題を含むことばが「福祉」であると思います。そして、表現の自由である「アート活動」が一つの手段としてリンクしてきたのだと考えています。 商品開発や作品制作の仕組みも、それぞれの事業所にあったプログラムづくりに微力ながら専念してきましたが、介護だけではない企業並みの専門的な知識とマネージメント力がなくては安定した報酬を得ることはできない現実も実感してきました。地域社会の機能の一部として役割を担うとともにアートスペース理想空間から発信するという大義だけでは「芸術」「福祉」「経営」を成功させることはできないと思います。この問いに対して改めて「福祉」という意味を考えさられました。

   

なぜ釜飯プロジェクトに参加しようと思ったのですか。

約20年前に調査研究のため訪問したドイツ・ハンブルグ、シュルンプのアトリエ&ギャラリーの体験が参加理由のひとつにあります。そこは1988年に社会福祉法人になり活動内容がアートに特化し、アーティストとして活動した人たちが自ら集まって運営をはじめたそうです。クライアントになる条件としては絵を描きたいという強い信念と作家として自立したいという強い想いをもっていること。研修をへて条件を満たす人のみがクライアントとなり(定員22名)、作家ごとに自由な創作空間が与えられていました。巨大なホワイトキューブの中2階ギャラリーで、建物のコーナーやパーテーションの裏側がアトリエとなっているのも特徴的。このギャラリー空間に近所の数十名の園児たちが訪れ展示されている作品を観ながらスケッチしているシーンが強烈なインパクトを与えてくれました。自ら想い描く理想のスタイルとなったことは事実です。 そして、代表の方が強い口調で「作品本意で障がいというカテゴリーはない!」と語ってくれたのが現在も心に突き刺さったままです。 多様なスタイルがあって当然ですがドイツで体験したことがアートスペースの理想像となり、インカーブと重なりあったように思います。 アトリエ インカーブが創設して数年後にはサントリーミュージアム[天保山]で「現代美術の超新星たち アトリエ インカーブ展」が開催されたのも衝撃的でした。国内海外問わずニューヨークアートフェアや日本各地展覧会へ積極的にアウトプットされ大学やシンポジウムなどで常に問題提起する内容や主張に一貫性があり現代アートとしての作品の評価も高く、関心と期待をもっていました。 あくなき探究心と云えばカッコイイのですが、人生最後の自己矛盾の整理と再確認ができればと思い参加したいと考えました。ご近所であったことも参加の理由にあります。

   

おなじ釜の飯プロジェクトを終えて

 アーティスト一人ひとりとコミュニケーションが少しずつ慣れてきたと思ったらインターン期間を終了していました。福祉施設のアトリエ或いはアートスタジオと呼ばれる現場を数多く体感をしてきました。アトリエ インガーブで大変印象的だったことは、人は誰しも社会との接点を持ち続ける“居場所”が不可欠であると改めて感じたことです。お互いの距離感と個々のアトリエ空間のバランスが心地よかったことは否めません。更にアーティスト個々のペースを尊重することで安定した生活と創作のライフサイクルが展開していたような気がします。理念の軸をアーティスト側に近づけることで現場の空気感が変わる一例であると思います。全体が共有のビジョンを一つにするということは容易なことではないのですが17年という歴史が物語っているように実践してきたことに一貫性があることでそのことを証明しています。
 「個々の能力に光を当てること」「きめ細かくサポートする」と当たり前の如く叫ばれますが、多種多様なサービスの提供には限界があります。アーティストの自己実現力(個人差はありますが精神的支柱が成長する力と云えばよいのでしょうか)キーワードになるのではないかと感じました。自己実現力を育む環境こそが安定したより良いライフサイクルや確かなアートワークが実現するのは確かでしょう。アトリエ インカーブのような社会的価値を生産する拠点が増え続け、次世代に継承されること。そしてアーティストの皆さんが迷うことなく安心して利用できる生涯の拠点(居場所)でありますよう願ってやみません!ほんの短い期間でもまだまだ学ぶことは多かったです。やり残したことを問い直しラストダイブしたいと思います。ありがとうございました。

   

第8期

成末 昂矢さん
和歌山大学 大学院教育学研究科 特別支援教育専攻

障がいのある方と係わる「きっかけ」を教えてください。

私が障がいのある方と係わる「きっかけ」は、大学1回生のときのこども会への参加でした。その子ども会は、障がいのある子ども達が大学生ボランティアさんと一緒に、いろいろな出し物や季節の行事を楽しむというものです。私も初めはボランティアとして参加していたのですが、次第に自分も「子ども会をつくる側になりたい!」と感じ、運営スタッフとして会に参加するようになりました。子ども会の運営では、「どんな遊びを企画すれば子ども達が楽しめるか」「どんな支援が必要か」をつねに考え、そこで培われたノウハウは、今の支援に対する考え方や態度の基礎となっています。

   

福祉の問題で最も関心のあるテーマは何ですか。

私が今、福祉の問題で一番関心があるのは障がいのある人の余暇活動です。余暇活動は人の生活を豊かにすることに加え、仕事との間にメリハリを与えてくれます。仕事自体にやりがいを感じられるような支援や、安心して活動できる職場を整えることは重要です。それに加えて余暇を充実したものにできれば、より安定した感情の中で日々を過ごすことが出来るでしょう。障がいのある人が自分の好きなものをみつけ、余暇の時間の中でそれをうまく楽しめるような環境の保障について学んでいきたいと考えています。

   

なぜ釜飯プロジェクトに参加しようと思ったのですか。

滋賀県で開催された2019年アールブリュットフォーラムで、登壇者の方が「障がいのある人の表現活動を支援するときに、一番大切にしているのは、その人がその人らしく穏やかに生活できる環境を整えることである」とおっしゃっていました。これを聞き私は、学校教育における特別支援の考え方と同じだと感じ、教育も福祉も目指すものは共通していると感じました。このことが、私が福祉事業所における創作活動支援に興味をもち、[釜めしプロジェクト]に参加するきっかけとなりました。教育と福祉の両面から研究を進めることで、両領域を繋げられるような存在になりたいと考えています。障がいのあるアーティストの方々と楽しく関わりながら、実践的に学べる場を提供して下さるスタッフの皆様、また本プロジェクトを紹介して下さった研究者の方に深く感謝しています。

   

おなじ釜の飯プロジェクトを終えて

 インカーブに通った2ヶ月は、普段経験できない新鮮な出会いと学びの連続でした。そんな刺激的な日々でしたが、アーティストやスタッフのみなさんが気楽に接して頂けたことで、安心して過ごすことができ、自由な眼をもってたくさんのことを取り入れることができました。
 インカーブは、アーティストのみなさんが安全に安心して過ごせる環境が整えられており、スタッフさんも含めてすべての人がのびのびと暮らしている様子が印象に残っています。 プロジェクト期間中は、「allstars 2019」展に向けた作品選びや展示計画の真最中であり、アーティストのみなさんが作品をつくる始まりから、展示されるまでの流れに触れました。ひとつの絵が展覧会で飾られるまでのプロセスのすべてが、アーティスト自身の「思い」を体現するものであることを強く感じました。自分の表現したいものをつくり、人にみせたい作品を選び、どう魅せるか考える…アーティストが主体となってつくり上げた展示であるからこそ人を惹きつける魅力があるのでしょう。そしてスタッフのみなさんは、「アーティストが表現したいように表現する」支えをしているのだと気づきました。言葉の掛け方ひとつとっても、アーティストの主体性を引き出し尊重する工夫に満ちており、スタッフさんの関わり方一つ一つが学びの源になりました。  安心して過ごせる環境だから自主性を発揮することができ、自分でものごとを決められるから安心して過ごすことができる…インカーブはそんな「アトリエ」なのだろうと感じました。
 短い間でしたが、とても有意義で幸せな2ヶ月となりました。今後の研究、そして先生となったときに、この素晴らしい経験を生かしていきたいと思います。ありがとうございました!

第7期

脇阪 明日香さん
特定非営利活動法人 コーナス

障がいのある方と係わる「きっかけ」を教えてください。

こども病院で看護師をしていた時、障がいをもつ子どもたちと出会いました。そこで、患者様のもつ力を看ることが退院への後押しになることを学びました。 喜びと不安を胸に退院していく姿を見送ってきましたが、退院後の人生を知ることはありませんでした。 その後、偶然今中氏の著書『観点変更』を知り、冒頭に掲載されている作品の力強さに心を奪われました。 インカーブを通して社会をデザインしようとする今中氏の強い思いに、無知であった私の心は揺さぶられました。 『観点変更』をきっかけに、高知県にあるアートセンター画楽さんでボランティアに参加させて頂き、福祉の場にいくことを決めました。 これまでの出会い全てが、今に繋がる大切なご縁であったと感じています。

   

福祉の問題で最も関心のあるテーマは何ですか。

私は希望をもって働き続けられる福祉現場が増えていくことに関心があります。私の働く生活介護施設には「言語」というコミュニケーション手段を持たない方が多くいらっしゃいますが、言葉以外の方法で思いを発信しています。それは共に過ごす時間の中で少しずつ理解し合えるものだと思います。 インカーブに流れる穏やかな雰囲気やアーティストの皆様の安心した様子をみていると、ゆっくりと丁寧に築かれた信頼関係が優しい安定感を生んでいるのだと感じます。 また、実践を発信し知らない人に知ってもうことは、社会の“障がい”を取り除くために必要な事だと思います。 しかし、信頼関係を築くことも、実践を言語化・可視化することも、現場の職員がどっしり腰を据えて働くことができて初めて実現するものです。 そういった環境を整える事が、障がいのある方の穏やかな日々の実現に繋がるのではないかと感じています。

   

なぜ釜飯プロジェクトに参加しようと思ったのですか。

アトリエコーナスでアート担当という役割を頂きもうすぐ2年が経ちます。支援員としてメンバーの生活を支える側ら、制作環境の調整、作品の管理、展覧会等への出展、作品の売却などのアート業務を行っています。 しかし、作品を世に出すまでの過程で悩みは尽きず、実践的な「そもそも」の部分についての勉強や経験が不十分であると感じています。 是非インカーブさんで実践のノウハウを学ばせていただきたいと思いプロジェクトへの参加を希望しました。 また、左眼にアート・右眼に福祉を携えながらどのようにバランスを保たれているのか、アーティストの皆さんが安心した日々を送れるようどのような心配りがなされているのか、同じ釜の飯を囲むなかで少しでも吸収できればと思っています。

   

おなじ釜の飯プロジェクトを終えて

 おなじ釜の飯をいただいた4ヶ月間は、幸せやアートとは何か、なぜ自分はここにいるのか、出来る限り冷静な頭で言語化し、持てる限りの熱い心で吸収しようとした4ヶ月でした。アートフェア東京に始まり、三木清『人生論ノート』の輪読会、日常を守るチーム作り、国や府の会議への同行など、様々な経験をさせて頂きました。
 アートフェアでは、作品とお客様を繋ぐお手伝いをさせて頂きました。現代アートの場で作品が正当に評価され、作家として輝く瞬間に立ち会えたことは本当に貴重な経験でした。皆さんの活躍に胸が高鳴ると同時に、基盤となる日常が守られてはじめて、舞台が美しく華やぐのだと感じました。また、フェアに至るまでには、作品や作家と向き合う地道な準備期間があることを知りました。フェア後には、ご購入者に作品が届くまで細やかなこころ配りがなされていました。そういった内外への誠実な対応が、福祉と市場を繋いでいるのだと感じました。作家と作品の尊厳をまもる市場の在り方について学び、チームで動く意味を実感することができたアートフェアでした。
 クライアントの皆さんとの何気ない会話や、制作に没頭する横顔は、人の幸せが平面ではなく立体的なものだと教えてくれました。そして、福祉とアートは別々のものではなく、それぞれの幸せの中にアートが含まれていることを気付かせてくれました。日常に戻った今、いつもの景色が少しだけ違って見えます。今見えているものはほんの一面で、光の当て方が変われば別の形が見えてくるかもしれない事を教えて頂いたからだと思います。答えを急がずに、穏やかな日常を共にする中で、それぞれの形を受け入れていくことができたらと思います。最終日、スタッフの方が「どこにいても幸せでいてくれることを願っています」と言葉をくださりました。見ず知らずの私の存在を受け入れてくださっただけでもありがたいのに、幸せを願ってくださる温かさに胸が熱くなりました。目の前にいる人を自然に想える方たちだからこそ、変わらない日常を大切に紡いでいけるのだと思います。インカーブの皆さんと出会えたことが、私の幸せです。教えていただいた「普通のしあわせ」を、たくさんのありがとうの気持ちと一緒に繋いでいけたらと思います。
忘れられない4ヶ月をありがとうございました。

第6期

井上 栞さん
一般社団法人 暮らしランプ

障がいのある方と係わる「きっかけ」を教えてください。

大学1年の春休みに行ったインドでマザーテレサの施設へボランティアに行き、 そこで暮らしていた孤児の少女たちと出会いました。 その施設では、孤児で障がいのある少女たちが年齢の制限を超えても暮らしていました。 ボランティア最終日、少女たちはお買い物ごっこをしていました。 ぬいぐるみを売り買いする遊びは日本にもよくある光景ですが、少女たちは施設の外に買い物にはいけません。 インドでの体験から日本に戻り、日本の「福祉」のために何ができるのか考えるようになりました。

   

福祉の問題で最も関心のあるテーマは何ですか。

私が最も関心のあることは「教育」です。教育は子どもだけではなく大人も、職員も関係しています。 そのなかで多くの人がよりよい社会を目指していますが、どこに向かっているのでしょうか。 特に直接関わる職員のあり方については気になります。

   

なぜ釜飯プロジェクトに参加しようと思ったのですか。

私がアトリエインカーブさんを知ったのは勤務先でアートを取り入れた放課後等デイサービスの立ち上げ担当になった時でした。 子どもたちを迎えるまでの準備や活動中の関わり方を動画・HP・イベント・書籍から参考にさせていただきました。 それでも1年を過ごすことは難しく、試行錯誤を今も続けています。 「おなじ釜の飯プロジェクト」に参加することでアトリエインカーブさんが培われた「環境を整えること」について学びたいと思います。 子どもたちにとって創作活動が人生を潤す時間となるように。

   

おなじ釜の飯プロジェクトを終えて

 [おなじ釜の飯]プロジェクトのインターン中は、所属する事業所に何を持って帰るか、常に考えた4ヶ月でした。
目の前にある仕事をしていた日々から一転し、スタッフの皆さんの仕事を間近で見せていただき、福祉とアートの両輪においてプロである姿勢を学びました。 アーティストの皆さんの生活の支援と作品を残していく仕事は全く別のものではなく、地続きであるとともに、常にそれについてスタッフの皆さんがどのように関わっていくかを議論されていることに驚きました。
 20年近く活動される中でインカーブさんの考え方がスタッフの皆さん全員で作り上げられてきたのだと感じました。特に印象的なことは「スタッフの失敗がアーティストの評価となり「障がい者だから・・・」と言われることとなる」というお話は、今後の私にとって大事な学びとなりました。展覧会など外部とのやりとりの中ではもちろんのこと、アーティストとスタッフの関係性の中でも重要なことだと感じました。
 私が所属する事業所は、放課後等デイサービスと就労継続支援B型事業所、レストランを運営する法人です。放デイではアトリエプログラムを中心に実施し、B型には一部制作活動をする利用者さんが通っています。
 通所される方の環境を整えると共に、インカーブさんで行なわれている輪読会のように支援するスタッフのスキルアップとして様々な議論を行うことが必要だと分かりました。
 私自身がすぐにできることは多くないですが、この[おなじ釜の飯]プロジェクトで感じた空気感や仕事への姿勢を周りの人にも感じてもらえるよう態度から変えていこうと思います。
 最後になりましたが、アトリエ インカーブのスタッフの皆さん、アーティストの皆さんには温かく迎えていただきとても楽しい時間でした、ありがとうございました。

第5期

納富 太郎さん
社会福祉法人 ゆうのゆう

障がいのある方と係わる「きっかけ」を教えてください。

子供と遊ぶ事が好きで学生時代に児童館でボランティアをしていました。その際、障がいのある子と出会い、遊びを通じて仲良くなった事がきっかけです。 障がいのある方と直接関わる事のできる福祉の仕事をしたいと思い、重い障がいのある方の地域生活を支援する現在の職に就くに至りました。

   

福祉の問題で最も関心のあるテーマは何ですか。

重度の障がいがある方の生活支援に関心があります。 私の勤めている “ゆうのゆう”には医療的ケアを必要とする方や、知的・身体的の重複した障がいのある重症心身障がい者と呼ばれる方が多く通われています。 明確な意思疎通を図る事が難しく、リスクやコストの大きい医療的ケアを要する事も相まって、そうした方の居場所はまだ自宅、病院、入所施設などに偏りがちです。 そして時に日常的に関わる者(親、介助者)でも食事・入浴・排泄などの日常的ケアさえしていれば良いと思いがちです。 そうしたケアは生活の大前提であって、生活はそれだけではないはずです。余暇の充実、文化的活動が欠かせないはずと私は思います。 重い障がいがあっても、日々に彩りやその人らしさのある生活をどう実現するかを模索しています。

   

なぜ釜飯プロジェクトに参加しようと思ったのですか。

アーティスト自身やその作品のもつ力、そして創作をサポートし、作品を発信するスタッフの力。 その二つの力が日々の生活の中でどのように育まれているのかに興味があったからです。 しかしそれらは、一朝一夕では分かりえない事だと思います。この「おなじ釜の飯プロジェクト」は、 そんな、一朝一夕では分かりえない事を包括的且つ実践的にじっくり学ぶ事のできる好機だと感じています。 私の属するゆうのゆうとインカーブは関わる人の個性、障がいは勿論、規模も、環境も大きく事なります。 これから学んでいく事をどう活かせるのかは、実のところまだ予想できていないままでいます。 しかし、だからこそ面白く、学びも多いのではないだろうかと考えてドキドキしているところです。 奇しくも“おなじ釜の飯”を食べる立場になれた幸運に感謝しつつ、貪欲に学んでいこうと思っています。

   

おなじ釜の飯プロジェクトを終えて

振り返るとあっという間でしたが、アートフェアへの出展があり、ギャラリーでの展示会があり、たくさんの出来事がぎゅっと凝縮された様な3ヶ月でした。 「おなじ釜の飯プロジェクト」でなければ出会えなかったであろう人達に出会い貴重な経験をさせて頂きました。
 インカーブのアーティストが生み出す、見る者の心をざわつかせる程の力を持つ唯一無二の作品の数々。 それらを生み出している才能と個性に溢れるアーティストの皆さん。しかしそれを偉ぶるでもなく、カッコつけるでもなく、 あくまで在りのままで自分のペースを貫いて日々を過ごされていました。その何気なさもまたすごく格好良く魅力的でした。 スタッフの皆さんはそんなアーティストとその作品への敬意に溢れ、日々のきめ細やかなケアや妥協のない展示などに見るそのプロフェッショナルなお仕事ぶりは、心の底からの敬意や情熱がないとできないものだ感じました。
 「おなじ釜の飯プロジェクト」を終え、私は重症心身障がい者と呼ばれる重い障がいを持つ方々の通われる生活介護の現場に戻りました。 このプロジェクトを通じて得た学びをもとに、重い障がいをもつ方々にとっての幸せやアートの形とは何かを考え、現場で実践していくつもりです。 それは決して簡単な事ではないと思いますが、インカーブのみなさんの様に自分らしく、そして敬意と情熱をもって、挑戦を続けていこうと思います。 そんな風に気持ち新たにリスタートを切りました。 多くの学びを与えて下さったインカーブの皆さまに改めて感謝を申し上げます。 本当にありがとうございました!

   

第4期

牧原 里佳さん
社会福祉法人 やまなみ会 やまなみ工房

障がいのある方と係わる「きっかけ」を教えてください。

小学2年生の時に同じクラスだった『修ちゃん』。当時の私は自閉症という言葉を知りませんでしたが、今思うと、彼が私の人生で初めて出会った知的に障がいのある方でした。 修ちゃんは絵本作家の五味太郎が好きで、休み時間や授業中を問わず絵本の一場面を見事に紙へ再現していたのをよく覚えています。修ちゃんが迷うことなくペンを走らせる姿が私には不思議で、魅力的で、大好きでした。その後大学で社会福祉を学び、障がいのある方が通う「やまなみ工房」へ就職をしたことは本当に偶然のご縁でしたが、やまなみ工房で利用者の方と共に過ごす際に感じる気持ちは、当時の私が修ちゃんに抱いていた気持ちと通じるものがあります。自分の好きなことをひたすらに一生懸命行い生きること。飾ることなく素直な気持ちを伝えること。シンプルだけど、意外と難しいことを貫くやまなみ工房の皆さんの姿勢には、私自身が日々助けられ、多くの事を学ばせてもらっています。

   

福祉の問題で最も関心のあるテーマは何ですか。

障がいのある方の高齢化です。やまなみ工房には現在83名の方が通っておられますが、その3分の1以上が40代を越えています。多くの方は在宅で生活をされており、本人はもちろん、その家族も高齢となっていることも多い為、本人や家族の高齢化に伴い地域で生活が困難となるケースが今後は増えていくのではないかと懸念されています。年齢を重ねても、長く住み慣れた地域で安心して暮らしていける様な仕組みづくりが必要であると感じています。

   

なぜ釜飯プロジェクトに参加しようと思ったのですか。

私は大学を卒業し、新卒でやまなみ工房へ入って7年になります。他の施設の事を知らずに歩んできこともあり、外からやまなみ工房を見たことがなく、福祉もアートもまだまだ未熟な面が多くあると思っています。インカーブはアーティストやスタッフの皆さん全てが「プロフェッショナル」な集まりだと、かねてから感じておりました。お互いの適材適所で役割を果たし、強い信念を持ちながら、いつも笑顔で優しい気配りにあふれています。そうした背景には、福祉に関してもアートに関しても日々努力を惜しまず、研究を重ねているスタッフの皆さんの力が大きいのではないかと感じています。インターンを通して、アーティストとの関わり方や、今中さんやスタッフの皆さんの考え方に触れ、多くを考えたり自分自身を振り返るなかで、人としてもやまなみ工房のスタッフとしても成長できればと思っています。

   

第3期

棡葉 朋子さん
社会福祉法人 やまなみ会 やまなみ工房

障がいのある方と係わる「きっかけ」を教えてください。

私は滋賀県甲賀市にある、やまなみ工房で働いて10年目を迎えます。 (甲賀市には、最も長い歴史のある障がい者施設「近江学園」があります。) 母の仕事をきっかけに福祉の短大に通い、卒業後21歳のときに、ご縁があってやまなみ工房で働くこととなりました。 正直、はじめは戸惑いもありました。しかし、やまなみ工房のアーティストたちと日々過ごす中で 「あるがままの自分でいい」「あなたはあなたらしく」と、自信や勇気をもらいました。 いつも笑って周囲を幸せにする力、見返りを求めず差し伸べることのできる優しさ、人としてとても大切なことを教えてもらいました。 「福祉・障がい・アート」まだまだ分からないことも多いですが、アーティストたちと一緒に過ごす時間は、 私の人生を大きく変え、夢や希望・生きる喜び・自信を与えてくれています。

   

福祉の問題で最も関心のあるテーマは何ですか。

私の関心のあるテーマは、【社会と福祉との接点】です。 もし私が福祉について興味を持たなければ、「福祉」「障がい者」について関心を持つことはあったのだろうかとふと感じることがあります。 学校で「福祉」について教育を受けることもなく、障がいのある方と関わることもなく大人になる人がほとんどだと思います。 ここ最近、テレビや新聞等で「障がい者だけどすごい」「素晴らしい障がい者芸術」など、色々な言葉で発信されています。 そこにある驚きや感動のなかには、まだまだ「偏見」や「差別」の気持ちが存在しているのも現実です。 障がいの原因は人と人との間、社会の側にあります。「知的・身体・精神に障がいがある」ことが障がいなのではなく、 安心して出かけられないことや、社会の中で自分らしく過ごすこと、自分の好きなことを活かす場所や機会が得られないことが、障がいだと思います。 私たちが福祉の最先端となり社会を変える意識を持ち、障がい者を取り巻くさまざまな状況に対して正しく伝える努力や想いの大きさがすべてを変えるのだと思います。 今まで機会がなかったから接し方が分からなかった人との橋渡しになっていくことが、私たちのお役目だと思っています。

   

なぜ釜飯プロジェクトに参加しようと思ったのですか。

インカーブのアーティスト・スタッフ・建物。どの角度から見ても「福祉」という概念はなく、「かっこいい」。 アーティストの制作環境や展覧会の企画・設営・接客など、ひとつひとつアーティストにスタッフが真剣に向き合い、そこには敬意が存在しています。 インカーブの方針である「普通なしあわせ」という言葉は、私たちやまなみ工房も大変共感している言葉であり、日々大切にしていることでもあります。 同じ目標を抱いている中で、実際のアトリエでの環境・作品の生まれ方・展覧会に対する想い・アーティストに寄り添うスタッフとして気をつけていることなど、 さまざまなことを学びたいと思いました。自分にとっても、やまなみ工房にとってもよい機会になるよう頑張りたいと思っています。

   

おなじ釜の飯プロジェクトを終えて

インターンの3ヶ月間、クライアントやスタッフの皆様の優しさを感じ、笑顔の絶えない充実した日々を過ごさせて頂きました。振り返ると楽しかった事・悩んだ事・様々な事がありました。いつもそこには私を温かく迎え入れ、見守って下さる皆様がいてくださいました。私にとって生涯忘れる事のない経験となりました。
 専門的な部分では作品の扱い方・展覧会までの工程・展示方法など、基本的なことから技術的なことなど多くのことを学びました。
 インターンとして過ごす中で印象に残った事は、作家、そして作品に対し真剣に向き合い、敬意が存在していた事でした。「ものを大切にする気持ちをもつ人は、人間関係を良好にする」と言いますが、インカーブでは、出来上がった作品だけではなく、作家自身が作る喜びを感じながら制作に向かう過程というものも大切にされていました。それは人間関係を作り上げていく事とも共通する事でもあると思います。どんな作品を作るかどうかが重要ではなく、目の前にいるクライアントの思いと常に向き合い、ありのままの自分を表現し、楽しいと思える心を持ってもらう事を大切にされていました。
そしてクライアントとの会話ひとつやアトリエの環境など、すべてに安心と信頼、細心の配慮があり、現場を共に過ごす事で「普通なしあわせ」を目の前で感じる事が出来ました。個々の自発性を尊重し豊かな生活を送る事、彼等の本音に向き合う姿勢、そんなスタッフの姿があるからこそ、自然と互いの間に信頼関係が生まれ、「笑顔」が溢れ、幸せを感じられる場所になるのだと感じました。
一人一人の「幸せ」という価値観は違います。私は今回インターンに参加させていただき、初心に戻り、個々の考え方や想いと真剣に向き合い、これまで以上に「幸せ」のあり方というものを考えていきたいと思いました。
最後にインカーブのスタッフ、クライアントの皆様、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

   

第2期

白井 諒 さん
株式会社リカバリーサポート 陽なたぼっこ

障がいのある方と係わる「きっかけ」を教えてください。

昔から子供のことが好きでした。前職の同僚のお子さんと仲良くなる中で、児童の支援に興味を持つようになりました。 そんなときに、縁あって今の上司から障がい児の支援をしてみないかと声をかけられたことが「きっかけ」です。 現在は障がい児(者)の支援を、より深い知識と心をもって取り組みたいと思っています。

   

福祉の問題で最も関心のあるテーマは何ですか。

今、関心のあるテーマは、自閉症児とのかかわりです。きっかけはあるひとりの少年でした。 重度の自閉症で、はじめは近づくことも難しかったのですが、1年以上、時間をかけて少しずつ心を開いてくれるようになりました。 私自身、つらい時期を心ある人の支えにより乗り越えられたことも影響したのでしょうか。 彼らの世界に入り、外の世界との橋渡しをしたいと強く思うようになりました。 今後はより学びを深め、ひとりでも多くの自閉症児の心の支えになりたいと思っています。

   

なぜ釜飯プロジェクトに参加しようと思ったのですか。

縁あって、代表の今中さんとお話しをさせていただく機会がありました。今中さんの信念をスタッフの方が形にしている。 だからこそ、アーティストのみなさんが安心して制作に取り組むことのできる空間がある。そんな力強いサイクルを感じました。 そのサイクルの中で学びたい、いずれは自身でもそんな空間をつくりだしたいと思い、参加しようと思いました。

   

おなじ釜の飯プロジェクトを終えて

インターンに来させてもらうまでは、仕事の内容はとても専門的で、作品の展示や販売などアートのことが中心になるのかと思っていました。また雰囲気も緊張感のある場所かな、というイメージがありました。
 実際にインカーブに来て感じたことというのは、まずとても穏やかな雰囲気であるということでした。作品についての評価などはなく、制作も制作をする時間も自由で、描きたいときに描く、休みたい時に休む、というアーティストの意志を尊重したスタイルでした。スタッフの方もただ自由にしてもらうということではなく、アーティストのペースを尊重しつつも変わった点がないか注意深くケアをされていました。
 華やかな展覧会などの背景には、細やかな配慮が散りばめられたアーティスト中心の日常生活があるのだとわかりました。
 その反面、最初のイメージにあった作品の展示や販売に対する部分では、想像通りの専門性を感じました。展覧会の準備として、京都にあるギャラリーの設営に少し携わらせていただいた中で、印象に残ったのはスタッフの方の熱意でした。アーティストが描かれた作品の魅力を最大限に引き出す努力、そのことに一切妥協しない姿勢に心打たれました。
 またインターンで来ている私に対してもとても暖かい雰囲気で迎え入れてくださり、忙しい中も気にかけてくださっていました。スタッフの方と関わりを持たせてもらう中で、「障害があるから優しくする、ケアをする」ということではなく、誰に対しても分け隔てなく自然に接しているので、暖かく、どこかホッとするような穏やかな空気感が漂っているのだと感じました。
 学ばせていただいた感謝をどうお返ししたらと思っていますが、教えていただいたことを忘れず、また次の方に感謝の気持ちを持って受け渡していきたいと思います。本当にありがとうございました。

   

第1期

久世 恭詩 さん
株式会社リカバリーサポート 陽なたぼっこ

障がいのある方と係わる「きっかけ」を教えてください。

私自身が20代の頃に障がいを抱えたことです。私の場合は、目に見えない障がい(内部障がい)だったので、障がいを自覚するまでに時間がかかりました。「いつも、何か周りとは違う」という意識がありながら、それが何かわからないまま時間が過ぎていきました。民間の社会復帰施設を利用しながら、学業を終え、卒業後はその施設の職員として働くようになりました。私自身が障がいを抱えていることで、障がいのある方と係わることになりました。現在は、障がい福祉サービス事業の訪問介護と地域生活支援事業の移動支援サービス事業所を立ち上げ、管理者として勤務しています。また最近、有志で子供食堂をはじめました。2017年12月には、放課後等デイサービスを開設する予定です。

   

福祉の問題で最も関心のあるテーマは何ですか。

現在、分離教育が一般的で教育・地域活動等は、障がい児童と健常児童は別々に分けられています。それを、つなぐことが、私の関心のあるテーマです。その接着剤は「ご飯」と「アート」です。子供食堂を通して、集まった児童達と(障がい者・健常者関わらず)一緒にご飯を作り、アート活動を行う。ご飯作りは人生を生きていく力のために、アート活動は人生を活きていく力のために必要です。2つの活動を一緒に行うことは、障がい者や健常者という違いではなく、「そもそも人間とは、何か」を考える機会になると思います。将来は、障がい児童と健常児童の中から「アーティスト」の原石を見出し、自らの力で生計が営めるように支援したいと思います。

   

なぜ釜飯プロジェクトに参加しようと思ったのですか。

インカーブのアーティストは、笑顔がとても素敵で生きいきしています。インカーブに一歩入ると、あちこちからアーティスト達の笑い声が聞こえます。他方で、作品作りに没頭しているアーティストもいます。自分の好きなことを自由に表現できるからこそ、その生きいきとしたパワーが生まれるのだと思います。このパワーの源泉はどこにあるのか。インカーブのスピリットはどのようなものなのかを知りたい。少しでも、そのスピリットをおすそ分けして頂きたい、学ばせて頂きたいと思いました。釜飯プロジェクトは、一世一代の大チャンスだと感じています。

   

おなじ釜の飯プロジェクトを終えて

「信念と希望」
私が、この3ヶ月間「釜飯プロジェクト」で学んだことは「信念と希望」だ。チェコの文学者であるハベルは希望についてこう述べている。「希望とは、『きっとうまくいくだろう』という楽観ではなく、正しいことはあくまでも正しいのだという不動の信念こそ希望なのだ。」希望とは、未来を信じ抜く信念だ。 インカーブに足を踏み入れた時の明るさは希望の光だ。インカーブの代表である今中さんの著書『観点変更』のなかに「『普通な幸せ』とは、最低限の生活が経済的に保障され、プライドを持ち、まいにち笑顔で暮らせる。そんな当たりまえの『普通な生活』を送れることが真のしあわせである。私は彼らのクリエイティブな能力に心酔してインカーブを立ち上げた。」と記されている。 この確固たる信念の一本道を進み続け、その先にある未来を信じて歩まれた。そして、希望の光が、どこからともなく溢れ明るさを放たれているのだ。 私は、アートや福祉関して道半ばである。しかし、分かったことは「知」は土台となる「信念」がなければ、机上のものになるということだ。インカーブの全てに「信念」が込められている。建物、食事、椅子や机…、そしてスタッフの方々、それらが最大限の拘りを生み出している「普通なしあわせ」を大切にする気持ちを至る所から感じるのだ。そして、スタッフの方から「インカーブでは『普通なしあわせ』を考え続けます。」と教わった。だからこそ、アーティストは安心してクリエイティブな能力を開花することができ、この光が一瞬の輝きでなく、暖かな希望の光を出し続けることができるのではいだろうか。  最終日、あるアーティストが手紙を渡してくれた。そこには「本当にありがとう。」と書かれていた。涙があふれた。「普通なしあわせ」とは希望がある。その希望の光は周囲をも明るくしてくれる。 最後に、私の無理なお願いを形にしてくれた今中さん、インターン中多忙にも関わらず親切に対応してくださったスタッフの皆さま、そして私の存在を許してくれたアーティストの皆さま。 本当にありがとうございました。インカーブの希望の種をお裾分けして頂きました。 この種を大事に、未来を信じ抜く信念で子どもたちと育み、笑顔の大輪の花を咲かせます。

   

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