人は生を受けた途端に「評価を受ける者」になります。
人生の第一評価者は親です。第二評価者は教職員でしょうか。
第三評価者は会社の上司になり、地域社会になり、国家になります。
「社長や理事長、国家を代表する者は評価者であり、評価を受ける者ではない」
と思いがちですが、そうではありません。
彼らもながく評価を受ける者として生きてきました。
口に出さなくても、誰かの評価がほしいのです。
でも、裸の王様のそばには誰もいない。だらか、神や仏をそばに置くのでしょう。

「評価を受ける者」と「評価を与える者」という構図を壊したくて、
10年ほど前から「無審査・無賞・自由出品を原則」とする
アンダパンダン展を模した美術展をしています。
知的障がいのあるアーティストは知的障がいのない者から評価を受け、指導され、カテゴライズ
(障がい者アート、アウトサイダー・アート、アール・ブリュットetc)されてきました。
それは、なぜか?
要因は様々ありますが、キモは「彼ら彼女らが抗弁しにくい」からだと思っています。
自らの主張を表明しにくいがゆえに、「評価を与える者」が勝手に行為に至る。
根っこは、先日fbに投稿した市川沙央さんの朝日批判と同じです。
インカーブに在籍する知的に障がいのあるアーティストが自分の「好き」な作品を選び、
展示構成も可能な限り自分で決めました。
選択することが難しくても手を変え品を変え、粘って粘って聞き取りました。
それでも、難しなら血を分けた親を巻き込んで決めました。
だから、考える時間もエネルギーが必要でした。
それでも、こんな時代遅れな美術展があってもいいと思うのです。
10月4日から京都の壬生でお待ちしています。
お時間があれば、ぜひ、お越しください。
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【INCURVE ALLSTARS 2025】
https://incurve.jp/gallery/exh_251004allstars.html
会期
2025年10月4日(土)- 11月23日(日)
土日のみ開廊
12:00 – 19:00
会場
INCURVE|ギャラリー
〒604-8824 京都市中京区壬生高樋町60-18
*「ギャラリー インカーブ|京都」は、2024年に「INCURVE」へと名前をあらためました。
入場料
無料
オープニングレセプション
各会期の初日に、創作の様子や作品に込められた想いについて
インカーブのアーティストとスタッフがお話します。ご予約不要・参加費無料です。
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The 1st
会期
10月4日(土)・5日(日)・11日(土)・12日(日)
出品アーティスト
池野ほのか・打揚彦行・鹿子正登・岸かおり・塚本和行・テッセンソン蘭那・湯元光男
オープニングレセプション
10月4日(土)14:00 – 15:00
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The 2nd
会期
10月18日(土)・10月19日(日)・25日(土)・26日(日)
出品アーティスト
内野真行・佐藤太郎・澤田はる菜・寺尾勝広・信谷弘光・林健太郎・山本彩加
オープニングレセプション
10月18日(土)14:00 – 15:00
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The 3rd
会期
11月1日(土)・2日(日)・8日(土)・9日(日)
出品アーティスト
井戸友香里・宇内弘征・岡崎修介・北池裕一・新木友行・西川遼志・西山陽太
オープニングレセプション
11月1日(土)14:00 – 15:00
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The 4th
会期
11月15日(土)・16日(日)・22日(土)・23日(日)
出品アーティスト
伊東和穂・井上幸平・河野彩音・阪本剛史・武田英治・寺井良介・山中貴博
オープニングレセプション
11月15日(土)14:00 – 15:00
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京都岡崎 蔦屋書店にて、インカーブの新しいグッズのPOP UPを開催。
あわせてお楽しみくださいませ。
「INCURVE POP UP @ 京都岡崎 蔦屋書店」
2025年10月6日(月)- 11月24日(月)

「私にはもう、未来に期待する気力が残っていません。」
今朝の朝日新聞に寄稿した芥川賞作家、市川沙央さんの言葉です。
上滑りする「共生」を生産し続けるマスコミや研究者への鉄槌と諦めが書かれています。
対して朝日新聞は「お詫びの言葉」を社会面に記しますが、後の祭り。響きません。
デジタル版では、移民政策の研究者が「多様な属性をもつ人びとの参画・参加、当事者
(という言葉自体が不適切かもしれないが)の視点、対話の重要性、といった言葉を使い、
「誰ひとり取り残さず、すべての人が暮らしやすい社会」を目指してきたつもりだったが、
障害をもつ人びとの存在が抜け落ちていたことに気づかされ、愕然としている。」
「車椅子ユーザーのアクセシビリティを検討したこともなかった。」と詫びていた。
私も愕然としています。
「共に生きる」対象者は、誰なのか?本気で問うマスコミであってほしい、
慮れる研究者であってほしい。そういう意味で私は、未来に期待する気力を奮い立たせています。
朝日新聞の紙版、デジタル版は私のfbを参照してください。
https://www.facebook.com/hiroshi.imanaka/

”すき”

”すき”な人がそばにいて、”すき”なことが仕事にできれば、言うことなし。
そうだと気づくには、それなりの場数が入ります。
村木厚子さんが毎日小学生新聞で
「好きなことを大切に」というテーマで書いてらっしゃいます。
彼女が選んだのは、”すき”が形になったインカーブのアーティスト・岸かおりの作品でした。

INCURVE POP UP @ 国立新美術館

大阪に続き、東京・六本木の国立新美術館ミュージアムショップ
「SOUVENIR FROM TOKYO(スーベニアフロムトーキョー)」で、
「INCURVE POP UP @ 国立新美術館」が始まりました!
20年ぶりに誕生したインカーブグッズの新作を、ぜひお手に取ってご笑覧ください!!
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INCURVE POP UP @ 国立新美術館
新グッズの販売:全5アイテム、13種の新グッズを展示販売いたします。
*原画作品の展示はございません
会期:2025年8月22日(金)- 10月20日(月)
10:00 – 18:00
(企画展開催中のみ、金曜日・土曜日は20:00まで)
定休日:毎週火曜日 *9月23日(火・祝)は営業
臨時休館日:9月1日(月)、9月24日(水)
会場:国立新美術館 B1ミュージアムショップ
「SOUVENIR FROM TOKYO(スーベニアフロムトーキョー) 」
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
都営大江戸線六本木駅7出口から 徒歩約4分
SOUVENIR FROM TOKYO Webサイト
https://www.souvenirfromtokyo.jp
INCURVE ONLINE STORE
https://store.incurve.jp/

昨日の朝日新聞[アナザーノート]に村木厚子さんが
新たに立ち上げた団体「I&Others」が報道されました。
「I&Others」は、「社会課題を把握し問題提起して見える化し、
応援企業や団体を探し出してきてマッチングする」ソーシャルなプラットホームです。
インカーブは、「I&Others」のフォントデザインやロゴマークの「りんご」を提供。
来年の本格始動にむけて、準備万端です!
以下、長文ですが村木厚子さんの「退官10年、新たな挑戦」と
「変わらぬまなざし」をお読みください。
しなやかで、それでいて芯はぶれない。
お付き合いして20年になりますが、ずっと変わりません。

 村木厚子さんといえば、厚生労働事務次官として
女性の働く環境の整備や少子化対策などに取り組んできた。
官僚人生の後半には、無実の罪で逮捕され5カ月間勾留の後、
無罪が確定するという大きな波乱もあった。
 私は村木さんと四半世紀を越えるお付き合いになる。
政治部に配属されたばかりの頃、
ある政治家から「いろいろ相談にのってもらえるから」と紹介されたのが始まりだ。
その頃村木さんは課長の手前、室長だった。
 時々ランチを共にしていろんなことを話した。
政治部に女性の先輩はほとんどいなかったので、政治家の言った通り、
多くの相談にのってもらった。いわば、私の「メンター」だった。
 2015年に退官して10年。今年70歳になる村木さんが新たな挑戦を始めたのだが、
まずは来し方を振り返ってみよう。彼女の生き方がよくわかるからだ。
 旧労働省に入省したのは1978年。
一番の思い出は?と聞いたら「セクハラ対策を政策に取り入れられたこと」。
 昭和の時代に、「セクハラ」の概念はなかった。週刊誌で取り上げられ始めたころ、
雇用政策として何かできないか、研究会をつくろうと予算要求した。
 「予算の一次内示の前日に、大蔵省(当時)から電話がかかってきて。
セクハラというのが問題だとわかったけれど、
週刊誌ネタなので、予算要求書にはセクハラという文字を使わないでほしい、と」。
女性の課員であれこれ議論の末「『非伝統的分野への女子労働者の進出に伴う
コミュニケーション・ギャップ研究会』という名前にして予算をとりました」。
 研究会は93年に報告書を発表、記事もあった。
「女子雇用管理とコミュニケーション・ギャップに関する研究会報告書」とあり
「『職場のセクハラ』を初めて定義した」という。
 後に、均等法にも事業主のセクハラ防止義務の規定が盛り込まれた。
それがどんなに大きな意味があったかはいうまでもない
(私もセクハラを村木さんに相談したなあ)。
「ゼロからの最初の一歩を政策に組み込んで、法律にまでなったのは達成感がありました」
 退官後、瀬戸内寂聴さんと共に
若い女性の支援をするための「若草プロジェクト」の呼びかけ人になる。
出発点は勾留経験にあった。
「見ちゃったから、ですね。受刑者を、最初は怖い人悪い人だと思って、
すれ違うときも刑務官の後ろに隠れたいっていう気分だったんだけど、
だんだん、どこかで見たような、というか……。
福祉施設にいる人たちとよく似てるなあって。
知的障害とか、精神疾患とか。かなりハンディキャップを負った人たちなのかもしれない。
それに、独房に食事を運んで来るのって、刑務作業の女子受刑者なんだけど、
若くてまじめに仕事をやる人ばかりで。何でここまで来ちゃったかなあと」。

 で、取り調べの時に検事に聞いてみた。一体あの子たちは何をしたんでしょう?
「一番多いのが薬物。2番目が売春」という返事。
「その罪名と目の前の彼女たちが重ならない。出てからいろいろ勉強すると、
好きでやったというよりは、追い込まれて。あそこに行くまでに何とかならなかったのかなあ」。
 もう一つ、検事に言われて心にひっかかったことがあった。
「僕たちね、正月前は忙しいんですよ、
お正月をここで過ごしたい人がたくさん入ってくるのでね」。
そう聞いたのが6月。夏が過ぎ秋が深まると……。
 「どんどん寒くなってきて、コンクリートの分厚い壁でしょう?ひんやりするんですよ。
ここで冬を過ごすのはつらいぞ。正月をここで過ごしたいって何だろうって」
 2016年設立の若草プロジェクトは相談や居場所、シェルターの運営、
行政や専門機関との連携で多くの女性を救った。
そして今年、村木さんは新たな団体「I&Others」を立ち上げた。
 「若草の時から、支援を必要としている団体と、お金や物品、サービス、
体験とか提供できる企業とか団体をマッチングしていたんですが、それを拡大したいと思って。
NPOとか、現場を支援している団体は熱意があってがんばっているけれど、
目の前の活動で必死で、お金や物資が不足していても応援団を見つける時間もすべもない。
でも一方で豊富な資源をもっていて、それを活用して
社会課題の解決に貢献したいと思っている企業なども多いんです」
 新たな団体では、社会課題を把握し問題提起して見える化し、
応援企業や団体を探し出してきて、マッチングする。
 「物品の支援って一言でいうけれど、いろんな可能性を秘めているんです」。
たとえば、若草の時の支援で、アパレルブランドのセオリーが、
お店に行って店員さんに相談しながら洋服を選び、
メイクをしてもらって写真を撮って、というのがあった。
「自分で洋服を選ぶこと、お化粧してきれいになることが自己肯定感を高めて自信をつけて、
尊厳の回復にとても役立つんだそうです。今まで外に出るのも嫌だといっていたような子が、
店員さんと会話をして、自分もああなりたいな、
そのためんはコミュニケーション能力を身につけたい、と言い出したとか。
そういう変化、素晴らしいですよね。ファッションの力、
支援の可能性ってとてもとても大きいんですよ」。
 支援対象も、女性だけでなく子どもや若者などに広げるための新団体だ。
「日本の若者の死因のトップが自殺。これってどう考えてもおかしい。見えにくいけれど、
支援が足りていない分野だと思って」

 ロゴマークのデザインは「りんご」。お気に入りの絵画作品から使わせてもらったという。
「宗教改革を率いたマルティン・ルターの『たとえ明日世界が滅びることを知ったとしても、
私は今日りんごの木を植える』という言葉が好きなんですが、それにぴったりなので。
りんごちゃんたちは一つ一つ、微妙に違うんです。そういうところも多様性でいいなあと思って」。
来年3月には、一緒にリンゴの木を植えてくれる企業・団体を増やすための会議を開く。
 「最後のご奉公です」と笑う村木さん。いつも自分の後を歩く人たちを気にかけて、
生きやすいように環境を整え、そっと優しく背中を押してくれる。
役所時代も、卒業してからも、そしてこれからも。その姿勢は、ずっと変わらない。
(編集委員・秋山訓子)

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