みんな、今年もありがと

関西国際大学と大阪公立大学で社会福祉を
学ぶ学生さんたちが、インカーブに来てくれました。
午前は関西国際大学の1年生、午後は大阪公立大学の3年生と大学院生のみなさん。
「福祉の文化化と文化の福祉化」(一番ヶ瀬康子さんの言葉)を手がかりに、
インカーブを立ち上げた背景や、現場で何を大事にしてきたのかをお話ししました。
ディスカッションのあとはアトリエへ移動し、制作の様子を間近で見てもらいながら、
アーティストと言葉を交わす時間も。社会福祉とアートが同じ場所にある現場は初めて、
という学生さんも多く、「こういう福祉のかたちもあるんですね」
「制度の外側にあるものが気になりました」といった声が聞こえてきました。
社会福祉の研究をベースにしながら、
アートやデザインへと関心の領域を広げていこうとする学生さんたちに希望を見ました。
今回で、今年の学生さんとのディスカッションはひと区切り。
高校生から大学生まで、本当にたくさんの方と出会うことができました。
みなさん、ありがとう。
次回は年明け1月末、天王寺高校です。

昨年に引き続き、大阪府立大手前高等学校の1・2年生が、
「集中セミナー」の一環としてインカーブに来てくれました。
大手前独自のこのプログラムでは、学生くんが多様な分野の中から自分で講座を選びます。
インカーブの講座は「社会福祉という“しあわせ”をつくるインカーブの仕事」がテーマです。
事前学習をしたうえで参加してくれたこともあり、
みんなのまなざしは最初からとても真剣でした。
当日は、私の講義に加えてアトリエの見学やアーティストとの交流も行い、
インカーブの事業や理念、そして社会福祉とアートの接点について、
できるだけ体感的に伝えられるように工夫しました。
印象的だったのは、「作品をほめないという発想は初めてで驚いた」
という感想がいくつも寄せられたことです。
評価することよりも、いま目の前で起きている表現そのものを一緒に見つめる
——そんなインカーブのスタンスを、高校生なりに受け止めてくれたように感じました。

盟友と話そう!

先週、「現世で最後になるかもしれへんし、二人でちゃんと話そか」ということで、
東海北陸社会就労センター研究協議会「三重大会」で盟友と対談してきました。
その盟友は、20年ほど前に村木厚子さんからご紹介いただいた、奥西利江さんです。
当日は、インカーブのこれまでの歩みや、
アーティストたちの日々の様子を、映像もまじえながらゆっくり紹介し、
後半は「人生の収穫〜善も悪もまぜこぜでいい〜」をテーマに、約1時間、
おしゃべりするようなかたちで語り合いました。
障がいのある方の就労や暮らしの場づくりに30年取り組んでこられた奥西さんと、
インカーブは、事業規模や内容こそ違うものの、この“現世”でそれぞれが手にしてきた収穫は、
びっくりするほど似ているなあ、とあらためて感じました。
足を運んでくださった皆さん、主催のみなさん、本当にありがとうございました。
そして奥西さん、また来世でも話そうね。ありがとう。

「これにて、おしまい」

インカーブは来年より、
年賀状でのご挨拶を「これにて、おしまい」とさせていただきます。
23年間お付き合いくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
今後は Web や SNS、展覧会やアートフェアの場で、
みなさまと直接お会いできればうれしく思います。
これからも末永くおつきあいくださいませ。

20年目のカナビ

今年も金沢美術工芸大学の「色彩論」の授業で、お話しする機会をいただきました。
気づけば、金美での講義は20年目。
対象は、20年前と同じデザイン・工芸・美術などを学ぶ全学部2年生、約100人です。
今回は、「ソーシャルデザインの可能性」や「デザインとアートの違い」にくわえ、
「アンコンシャス・バイアス」や「カテゴライズの罪」といったテーマも交えながら、
「ものづくりと社会の関係」を一緒に考えました。
前半は、インカーブでの実践をもとに、福祉・教育・地域づくりなどの現場で、
デザインの発想やプロセスがどのように活かせるのかを紹介。
後半は、「目的をもった設計」としてのデザインと、
「問いそのものを立ち上げる営み」としてのアートを対比させながらも、
どちらか一方ではなく、社会のなかで互いを補い合う関係として捉える視点をお話ししました。
ラストでは、「デザインとアート」には、私たちの中にひそむアンコンシャス・バイアスや、
安易なカテゴライズをやわらげ、編み替えていく力がある、ということもお伝えしました。
この20年続いてきた対話が、「自分の表現を通して、社会とどう関わっていくのか?」
──そんな問いとして、今年もそれぞれの学生の中に、少しずつ育っていけばうれしいです。

前のページ 次のページページのトップ