ひとりで話すより、ふたりでお話したほうがだんぜん面白い。
一昨日、金沢で秋元雄史さん(東京藝術大学美術館館長/教授)と
トークセッションをさせていただきました。
テーマは「ユニバーサルデザインのミクロとマクロ」だったのですが、
ダダやシュールレアリスム、草間彌生から寺尾勝広(インカーブ所属のアーティスト)、
そして無意識のバイアス。
最後は障がい者の方々の表現芸術に絡む「専門職の不足」論まで。
お客様はデザイナー、建築家、教員、ドクター、現場をもつ福祉施設の代表やスタッフなど。
この業界に接続する熱心な方々でした。
結局、持ち時間の1時間をオーバーし、ご質問をいただく時間に割り込んでしまいました。
すみませんでした。
古典落語のようなひとり話しより、
ふたりでお話させていただけると気分も頭の中もエンジンがかかります。
特にぶっつけ本番は面白い。
現代美術をご専門にされている秋元さんの言葉は、
「今」のわたしが必要としていることばかり。
「領域を拡大している現代美術」に「加わる」意味を再考した一夜でした。
デザイナーは「差別化」する力をもっていて、
ゆえに「非差別化」する力ももっているはず。
そんな持論に照らせば、やるべきことはまだまだ山積みです。
特に子供達の心に差別の壁が立ち上がる前になんとかしなくては!!
今年初の講演会&トークセッションは気持ちのいい滑り出しでした。
みなさまに感謝です、ありがとうございました。
ps.トークセッションで最前列に座っておられたのはティー・ワイ・オーの
PRESIDENT / DIRECTOR・早川和良さんでした。
サッポロビール、日本郵政、富士通。
記憶に残るCMをたくさんディレクションされています。
インカーブのアーティストは話す距離が近いというわたしの話を引きながら
「障がいのある方々には壁がないんだ」という感想をくださいました。
つばきがかかるくらい近づいて話すインカーブのアーティストたち。
そう、壁をつくっているのはわたしたち。
彼らには、はじめっから壁がない。
つばきがかかるぐらいの関係って幸せじゃないですか?
これがソーシャルな幸せ(福祉)です。