過去の記事 → 2015年10月

ART KAOHSIUNG、キャンセル……の訳

お詫び……ごめんなさい。
今年の8月に「インカーブの海外進出・第二弾が決定しました!!
台湾の高雄で開催される『ART KAOHSIUNG(アートカオシュン)』に出展します」って
ご報告しましたが……キャンセルになりました。
台湾までみに行くよって言ってくれてたお友達のみなさん、本当にごめんなさい。
今回の出展費用等の一部に文化庁からの委託事業費が入っているのですが、
その文化庁からマッタがかかりました。
キャンセルの理由は、国費である委託費を「日本政府が国家承認していない国」
つまり日本と政治的な国交がない台湾で行う事業に投入することは難しいとの見解でした。
最終コーナーをまわったところで頓挫。でも、きっと、この急展開はいいご縁。
とてもポジティブなインカーブらしく、近日中に、次の急展開がくる予感がします。
その時がきたら、ご報告します。
暫しお待ちくださいませ。
FullSizeRender

悪識が良識を駆逐する……そんな言葉をむかし聞いたような、いや、何かで読んだのかな、うろ覚えです。
10月6日、第2回エンブレム委員会が開催されました。
私は20年近くデザイン業界に身を置き生業を得てきました。
「デキレース」は常識。良識であるとさえ思っていました。
前回のエンブレム選定では国民からデザイン業界の良識が悪識だとバッシングを受けました。
「クオリティーを高める為、かつ、短時間で成果をあげる為には、デザイン門外漢と対峙している暇はないんだよ」
前回の選定委員会はあたりまえのように、そう考えていたのだと思います。
そして「業界の良識は悪識だよ」って大炎上しました。そうです、悪識です。
民と民がなあなあでレースに望む訳ではありません。五輪が相手です。
公と公がレースを挑むのに「デキレース」は通用しません。
われわれ国民は電博(電通、博報堂等々)含め、その業界の良識を破壊するチカラを手にしていれたのだと思います。凄いことですね。時代は大きく変わりました。
ということで、第2回エンブレム委員会では「応募資格」の幅をとても広くひろくもうけました。
「18歳以上の日本国籍の人または日本在住の外国籍の人で、経験や受賞歴の有無は問わない」。
また「個人だけでなくグループ(10人以内)での応募も認める」。
「グループの場合は代表者が年齢・国籍の条件を満たしていればいいため、子どもの参加も可能」。
どうですか、この開き方。
業界が考える「どうせ、出来る訳ないでしょ!子供なんかに」、
「むりむり、素人なんて。デザインはプロがするものでしょ」という悪識を破壊したのです。
痛快です。ぜひ、みなさんで「デザインをすること」を楽しんでください。
そして良識あるエンブレムを次代の子供たちに残してあげてください。
委員会で議論したポイントは下記HP内のPDFをご覧下さい。
なお、エンブレム選定におけるスケジュールは以下を予定しています。
まだ、微調整はあると思いますが、大枠は変わりません。

・ 10月6日    「応募要項案のポイント」公表
・ 10月12日の週 「応募要項」公表
・ 10月中     提出フォーマットを公表
・ 12月7日     応募受付の締め切り
・ 2016年春頃  エンブレム決定

今週16日(金)の夕方から第3回目のエンンブレム会議です。
いつものように日帰り出張でいってきます。
余談ですが会議で関西弁をしゃっべってるのは私ひとり。
関西から出向いてるのは一人のようです。
標準語が大勢をしめると、がぜんねっとりした京都弁とテンポのいい大阪弁をマゼコゼにして使いたくなります。
生粋の関西人の悪い癖。これは許される悪識、かな。
https://tokyo2020.jp/jp/news/index.php?mode=page&id=1494
image

エンブレムを選ぶということ

2020年東京五輪・パラリンピックの「エンブレム選考委員」に就任しました。
先日の皇太子殿下のご先導も大役でしたが、今回のエンブレムの選考も、
身に余る大役です。
9月29日、第1回エンブレム委員会が開催され、
理事会にて承認されたメンバー19名のうち16名が出席しました。
宮田委員長(東京芸大)から会議の総論が報告されています。
添付のHP等をご照覧ください。
私からは個人的に発言したことを少し記したいと思います。
その前に、委員会での私のお役目とは何か?です。
委員19名は日本を代表するその道の専門家。
得手不得手も当然あって、譲れないこともきっとあって、
それでも同意する度量もある。
そんな委員会で求められている私のお役目は
「オリンピックとパラリンピックを、いまより、もっともっと繋げる」こと
だと解釈しました。
そこで、まず、自己紹介と共に、委員のみなさんに問うてみました。
「パラリンピック=パラレル+オリンピック」のパラレルとは何か?
IOCではパラレルを「もう一つの」と定義しています。
他方、辞書ではパラレルは「平行」「並列」です。
並んだ二つの線は永遠に交わることはない、それがパラレルです。
つまり、パラリンピックとオリンピックは永遠に交わることはありません。
はじめから、統一すること想定していない、とも言えます。
私は、両大会が表裏一体で良しとされることに納得がいきません。
両大会は「表と表」であるべきだと考えます。
つまり同じ領域でガップリ四つに組み合うことをゴールとしてほしい。
例えば「凸凹」が絡めば正方形になるように、
差異があるとされる二つの形を一つの形に包含する意識こそ、
超成熟社会・日本が世界に示す「希望」ではないでしょうか。
パラリンピックを「もう一つの」にしないエンブレムデザイン。
それが私の選考の観点です。

以上のことはエンブレムのコンセプトにまつわる議論のとば口です。
先般のエンブレム選考で大炎上した不透明な応募基準や選考基準を
クリアにしていくことは当然大切です。
しかし、キモはそこではありません。
エンブレムにこめる日本のあるべき姿を、わかりやすい言葉でつくること。
それがすべてのスタートなのだと思います。
https://tokyo2020.jp/jp/news/index.php?mode=page&id=1481
http://mainichi.jp/sports/news/20150930k0000m050102000c.html
c01

次のページページのトップ