昨日、NHKの取材(ニューステラス関西)がありました。
テーマは「アトリエインカーブが市場を目指すわけ」だと僕は思っていますが、
ディレクターやデスクが「世間一般」に理解しやすいように加筆&修正をされてるかもしれません。
「障がい者のイキイキアート」なんてことにならないことを祈っています(笑)



時々、TVや新聞などのディレクターやデスク、
記者の方に対してムクムクと感情が高ぶる時があります。
第一にインカーブという発信側の思いと、
世間一般にむけて仲介するマスコミの思いがドンピシャといかず齟齬がおこることです。
特にTVは難しいですね。
新聞や雑誌なら校正をさせてくださいますが、TVは校正がありません。
当然、編集に対して希望を言える訳でもなく、
放映されて初めて「それは曲解でしょ」なんてのも多々あります。
次に人の問題。
「どうせ一時の事やから、当たり障りのない質問でいいっか」の姿勢が
露骨にみえる方もいてはります。
でも、その逆もあるんです。
えげつなく食らいついてきて、仕事の範囲をこえてズケズケと踏み込んでくる方。
そんな猛者とは男女・年齢の違いをこえて、長いながいお付き合いが始まります。
家庭のもめ事から、プライベートの浮いた話しまで、とうとう夜会をご一緒するほどに。
「アート大阪」にむけた今回のNHKの取材陣。
どうか、アーティストたちの思いと、
黒子に徹しきって働いているスタッフの情熱を映像化してください。
くれぐれも独自の判断で曲解のないように。
「世間一般」とはなんとも定義しがたい言葉ですね。
別の世界で生きていると思われている人がいます。
俗にいうマジョリティーからみた「マイノリティ」の人です。
その人間=マジョリティは時々、毒を吐きます。
世間の人はとても世間体を気にするので、ここ一番でしか毒を吐きませんが、
いざとなれば巨大な毒入り言葉をマイノリティに投げかけます。
たとえば、こんな風に。
「障がいのある者たちが市場に参加することは似つかわしくない、
彼らは我々(マジョリティ)が保護する対象だよね、というか、
それ以前に市場は彼らを必要としているのか?きっとしてないよね、
無理でしょ。たぶん、無理」と。
インカーブが市場に参加し始めたのはインカーブが誕生した年度末。
たしか12年前だったと思います。
まずは国内のミューアムショップでグッズを販売し、次いでNYで作品を発表。
そして、国内の現代美術館で展覧会を行い、
ようやく3年ほど前から本格的に現代美術を扱うアートフェアという市場に参戦し、
インカーブ単独のブースを出展するに至ります。
誕生した直後は世間一般の毒にモウロウとしていましたが、
徐々に薄まってきました。
今週末からインカーブの地元・大阪で開催される「アート大阪」に出展します。
対外的には「乞うご期待!!」って話していますが、
僕のお腹の中には隠れた企みが二つあります。
まず第一の企みは「新しいスター」を見つけることです。
「アート大阪」から東京やNYのアートフェアに選出されることを期待して、
インカーブが出展した数回のアートフェアでは選ばれなかったアーティストや、
選出されたけど僕が思うほどお客様の評価が得られなかったアーティストを中心
出品します。
第二の企みは「若手スタッフ(といっても5年目ですが)」に
市場の最前線でインカーブが行ってることを肌で感じてもらうことです。
作品説明から値段交渉まで矢面に立つのは、お初です。
ヘトヘトになると思いますが踏ん張ってもらいます。
インカーブらしいスタッフになる第一歩!
ガンバレ!!
現代美術を中心としたアートフェアに参加する福祉施設は皆無です。
……何故でしょう!?
そもそもチカラ不足だと思っているから?
そのチカラ不足はアーティストの作品のレベルが低いから?
それとも?
僕はこう考えます。
決してアーティストたちのチカラ不足ではありません。
チカラがない(理解がないが正解かな)のはお金と人事権を握る施設の長。
そして無抵抗なスタッフ君だと思います。
そのチカラとはアーティストたちの作品をこよなく愛するチカラだとも言えます。
自信をもって、そばにいるアーティストたちを信じて、
世間一般の毒に立ち向かってください。
いつまでも福祉の保育器の中では世間一般の評価は得られません。
普通の場所で、普通に戦うことを忘れては、アーティストたちの黒子ではありません。
あなたは「市場だけが全てではありません」というかも。
はい、よくかります。
ただ、障がいのあるアーティストたちを置き去りにし、
ないがしろにしてきた最も顕著な場所が市場ではなかったですか。
作品たちはバザーで安価に販売されることをどう思ってるんでしょう。
市場の扉を開いていくことは、とても困難です。でも、意味があります。