僕の最愛のお婆ちゃんは文字が読めませんでした。
だから「ひろし、新聞、読んで」って言ってはりました。
そして「ひろし、文字を読まれへんって、辛いし、悲しいもんやで…、
せやさかい、ひろしは頑張って勉強しなはれや。一生懸命、勉強して、
おばあちゃんのような人をつくらん世の中にしてや。
ほんでな、お父ちゃんにもお母ちゃんにも感謝どすえ。
勉強させてもらえるのは、ほんまありがたいこと、どす」
京都に生まれ、京都で育った、明治生まれの女性です。
そんな、お婆ちゃんに真綿に包むように育てられました。

インカーブのスタッフが大学に入学します。
学ぶのは「芸術学」。働きながら学ぶことを決心しました。
4年間はながいけど、その覚悟はきっと実を結びます。
社会人になって身銭をきって学ぶことは未来の杖になります。
彼女をバックアップするのは残りのスタッフです。

「インカーブの仕事は福祉と文化が両輪!」
「社会福祉士と学芸員の資格は最低限の言葉を知るために必要!」

そんな偉そうな大義「迷」分に9割のスタッフが付き合ってくれました。
残りの1割は勉強の真っ最中です。
「資格なんて……勉強なんて……実践では必要ない事ばかりやん!」って
声が聞こえそうですが、いやいや、そうではありませんよ。
お浄土に還るまで仕事を通して社会にコミットしていきます。
ほそく、ながく、続けていく為には「勉強しなはれ」といってくれた
お婆ちゃんの言葉が正解です。

ps彼女を大学に送り出してくれた居残りのスタッフに、ありがとね。