連日、拙著絡みの連投ですみません。
10月号の美術手帖で『アトリエ インカーブ物語』のレビューが掲載されていました。
評価者は美術史研究の岡俊一郎さんです。
「『閉じながら開く』ことを説く福祉論・行政論という性格も持っており、
様々なかたちで思考を触発する。全体の筆致は柔らかいものの、
障がいを持つアーティストによる作品を『アウトサイダー・アート』という
狭い領域に押し込めてしまうことに対する批判など、鋭い指摘が光る」。
この拙著に関して”筆致は柔らかい”と言われたことが無いので、半分嬉しく、半分ホッ。
ところで、10月号の美術手帖のテーマは「ポスト資本主義とアート」です。
冒頭でいま乗ってるマルクス・ガブリエルから
「アートの機能は道徳的な進歩に貢献することにあるという、
啓蒙主義のシーラーの考えを諦めてはいけない」という話を引き出し、
ついで白井聡さんのマルクス的下部構造とアートの話に展開。
贈与など、等価交換でないものを評価し、感情まで資本主義に食われるな!
ポスト資本主義は贈与の連鎖から生まれる、というのが落とし所でした。
その批判対象となるのが(お決まりの)村上隆さんの
「芸術家はアートと価値発生のメカニズムを上手に利用せよ」とぶち上げた芸術起業論。
資本主義社会でアートの「価値」はどう決定されるのか?
秋の長めの夜にマルセル・モースの『贈与論』、ジョン・ラスキンの『ゴシックの本質』を選びました。